経営方針

経営方針

「顧客第一主義」「共存共栄」「人間尊重」「堅実経営」「創意工夫」

松屋グループの経営方針は、その創業以来の歴史の中にあります。

明治2年(1869年)初代古屋徳兵衛は開港間もない横浜に呉服店「鶴屋」を構えました。横浜に端を発し、後の銀座進出からも見て取れるように、松屋は時代を映す百貨店としては欠くことのできない先進性を具えており、これが上述の経営方針の基調となっています。

当時の呉服店が、反物売りを中心にしていた時代に、松屋はお客様が望む量だけの切り売りを心がけ、またお客様が望まれる品物が松屋に無いときには、すぐに使いを出してお取引先から取り寄せました。松屋がお客様と共にあり、御奉仕する「顧客第一主義」の精神です。一方で、お取引先あっての松屋、お取引先とも共に繁栄しようという考え方が「共存共栄」の方針です。

店員達のためには、夜間の裁縫学校を開き、人材の育成を行いました。店と従業員の発展を同時に願うといった「人間尊重」の精神は、今となっては当然のことですが、当時としてはかなり進歩的な考え方でした。

さらに松屋は「堅実経営」により、創業以来幾重もの時代の波を乗り越えてきました。
また松屋が「創意工夫」により他店に先駆けて行ったことは数多く、例えば、浅草店が開業する時、屋上に動物園や遊園地を設け、これがデパート初の屋上遊園地であったことは有名な話です。

長い歴史の中で、多くの伝統ある企業が次第に姿を消したにもかかわらず、松屋が繁栄を保ち得た理由は、経験の中で培われた経営方針とそれを誠実に守り続けた経営者・従業員の姿勢にあるといっても過言ではありません。

横浜 鶴屋呉服店(明治2年)