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ソムリエ郁子の365日ワインの旅 第5回 アメリカ篇

ワインの法律、歴史、造り手など、たくさんの知識は ワインの楽しみ方を広げますが、詳しくなくても問題なし。 ワインは、美味しい。 美味しいものは、人をしあわせにする。 このコラムでは、松屋銀座のワイン売場「グルマルシェ ヴァン」にて 日々、ワインの魅力をお客様にお伝えしつづける「ソムリエ郁子」が、 気軽に楽しめるワインのお話を、生産国ごとにお届けしていきます。
プロフィール
ソムリエ郁子(そむりえ いくこ)
ソムリエの資格を持つ、松屋銀座の和洋酒マネージャー。お酒を飲むと、グラス1杯でトリップできる能力あり。好きな食べ物はりんご。シードルやカルバドスも大好き。最近ハマっているのは、娘と地元の銭湯に行くこと。

ソムリエ郁子が若手クルーに伝授!アメリカワインの歴史。

今回はアメリカのワインを特集します。松屋銀座のワイン売場「グルマルシェ・ヴァン」で郁子とともに働くワインが大好きな若手クルーたちに、アメリカワインについて楽しく学び、その魅力をお客様にたっぷりとお伝えできるようになってもらいたい・・・という想いから、講義形式でお届けいたします。

 

〜今回のメンバー〜

 

大谷亮平(左) 2023年入社。有名選手と近い名前のワイン大好き男子。特に好きな品種は、オーストラリアのシラーズ。あの重たさとタンニンの感じがたまらないのだそう。

 

石田紘平(右) 2021年入社。「グルマルシェ・ヴァン」にてワインの販売を担当。現在、ワインの資格取得のため勉強中。好きなワインは、スッキリ飲みやすく、価格的にもちょうどいい、ネコのラベルがキュートなスパークリング「コヴィデス・ゼニウスブリュット」。

 

 

ソムリエ郁子:お二人はアメリカワインと聞くと、どんなイメージがありますか?

 

石田:アルコール度数が高いワインが多いイメージがあります。味わいのしっかりとしたワインが、コストパフォーマンス良く楽しめるのかなっていう印象です。

 

大谷:私はやはりワインといえば、フランスやイタリアなどヨーロッパのイメージが強いです。

 

ソムリエ郁子:そうですよね。それに、ひと言にアメリカといってもすごく広いので、一体どのあたりで作っているの?という感じもありますよね。なので、まずはアメリカワインの簡単な歴史からお話しましょう。

 

大谷:ぜひお願いします!

 

ソムリエ郁子:フランスなどヨーロッパ諸国が古くからワインを造っているのに対して、アメリカワインの歴史は、1769年に修道士たちがミサ用のワインをカリフォルニアで造り始めたことからスタートしました。まだ、たった250年くらいしかたっていません。

 

大谷:なるほど、最近ですね。

 

ソムリエ郁子:その後、1860年代からヨーロッパ系のブドウが導入され、さらにはゴールドラッシュの時代が到来し、アメリカでもワイン産業が発展していきましたが、1920年から「禁酒法」が制定され、ワインどころかお酒が飲めない時代が続きます・・・!

 

石田:想像するだけでも、厳しい時代ですね・・・。

 

ソムリエ郁子:ですが、1934年になると「ワイン醸造家組合」の設立、「禁酒法」の終了、「カリフォルニア大学ワイン醸造学科」の設立と、カリフォルニアワインが発展するきっかけになることがたくさん起こりました。

 

大谷:流れが来ましたね!

 

ソムリエ郁子:そして・・・ワインファンには有名な事件が、1976年に起こります。

 

大谷・石田:事件?!

 

ソムリエ郁子:ブラインドで出されたワインの味わいを競うコンテストで、アメリカのワインがフランスのものに勝ってしまったのです。ワイン界では、フランスの不敗神話をくつがえしたということで「パリスの審判」と呼ばれています。

 

大谷:アメリカがフランスに?それはすごいですね。

 

ソムリエ郁子:それ以降、カリフォルニアワインは徐々に世界的な地位を固めていきました。

 

 

アメリカワインを牽引するワイナリー、〈ドライクリーク・ヴィンヤード〉。

ソムリエ郁子:アメリカワインを代表して、今回ご紹介するのは、カリフォルニアのソノマ地区のドライ・クリーク・ヴァレーに185haの畑を持ち、家族経営を守り続けているワイナリー〈ドライクリーク・ヴィンヤード〉です。この地で初めてソーヴィニヨン・ブランを栽培したり、「メリタージュ」という言葉を初めて使用したり、「オールドヴァイン」という言葉を造ったり・・・。このワイナリーは、アメリカワイン史に偉大な歴史を刻んでいます。さらには2015年に「ワイン・アンド・スピリッツ」誌によるトップ100ワイナリーに選出されたほか、「USAトゥデイ」誌のトップ10テイスティングルームにも選ばれるなど、今もなお進化を続けています。

 

 

石田:カリフォルニアというと、ナパ・ヴァレーが有名ですよね。

 

ソムリエ郁子:ソノマ地区は、カリフォルニアではナパに次ぐ銘醸地として知られています。近隣のワイナリーではフランスのボルドーにならってずっしりとしたタイプのワインを造ることが多かった中、〈ドライ・クリーク・ヴィンヤード〉の設立者、デイヴィッド・ステアさんは、軽やかな飲み口のワインができるフランスのロワールのブドウに魅せられて、ソーヴィニヨン・ブランの栽培にトライし、見事に成功させるなど、独自の道を切り拓いていきました。

 

大谷:チャレンジャーだったんですね!

 

ソムリエ郁子:また、先ほど話題にあげた「メリタージュ」という言葉は、「フランス以外の土地にてボルドースタイルでブレンドされたワイン」を意味します。

 

石田:ボルドーワインといえば、品種をブレンドして作りますもんね。

 

ソムリエ郁子:そしてこのワイナリーが生み出した言葉「オールドヴァイン」は、禁酒法施行以前に植えられた「樹齢の高いジンファンデル」を意味します。ジンファンデルは、アメリカでよく使われるブドウ品種のことです。

 

ラベルを見ながら楽しめるのが、アメリカワイン。

ソムリエ郁子:今回は、そんな〈ドライ・クリーク・ヴィンヤード〉の3本のワインをテイスティングしてみましょう。

 

大谷:楽しみです!

 

ソムリエ郁子:まず、ラベルを見てください。このようにアメリカのワインは、ワイン名やブドウ品種など諸々の情報がラベルに記載されていることが多いのが特徴です。フランスのブルゴーニュのものなどと比べて、一言でいうと親切で分かりやすいのが良いところです。

 

石田:それは、僕たちにも選びやすくていいですね!

 

ワイナリーを代表する、爽やかな白ワインをテイスティング。

ソムリエ郁子:まず1本目は「ソーヴィニヨン ブラン 2022」。

 

大谷・石田:いただきます!

 

ソムリエ郁子:非常に綺麗でクリアなゴールドに近いイエローという感じですね。粘性もちょうどいい感じで。香りなど、どんな印象がありましたか?

 

石田:まずはスッキリしてクリアな香りだなと・・・。

 

大谷:私はそんなに白ワインが得意ではないので、香りを嗅いだ時はちょっと苦手かもって思ったんですが、口に含んでみたらすごく飲みやすくてびっくりしました。

 

石田:渋みもそこまでなくて、めちゃくちゃ美味しいですね。

 

大谷:クセがないように思いました。ほんと、美味しい・・・。

 

ソムリエ郁子:飲みやすくて軽やかで、ボリューム感がそこまでではないので、和食などにもしっかり合わせられるのかなっていう。料理をあまり邪魔しないから、食中にも食前にもぴったりですね。これは今回ご紹介するすべてのワインに共通するのですが、上品な感じというか、あまりパンチを効かせすぎないのが、このワイナリーのすごく良いところで。

 

 

石田:アメリカのワインとなると、ほかはやっぱり濃いものが多いですよね?

 

ソムリエ郁子:アメリカのものが全部というわけじゃないんですけど、傾向的にわりとそういったものが多い中で、ここのワインは非常にエレガントで。あと、果物の香りってしないですか?

 

石田:果実もきっと、軽い系なのかな・・・。

 

ソムリエ郁子:そうですね。柑橘の香りがほんのりとするかなぁと。熟したものというよりは、ちょっと青っぽいというか・・・。若々しい良さがあって、なんだか二人みたいな感じで。

 

大谷・石田:僕らみたいなワイン!

 

ソムリエ郁子:あまり熟しきってないグレープフルーツとか、咲いたばかりのお花とか。全体的にみずみずしさに溢れていながら、主張しすぎず、すごく控えめで上品な感じで、高評価なワインです。

フレーバープロフィールとともに嗜む、親しみやすい赤ワイン。

ソムリエ郁子:2本目の「ヘリテージ ヴァインズ ジンファンデル2021」は、綺麗に澄んだかなり濃いガーネット色で粘性もそこそこあるので、味もわりと重めなんじゃないかなと。ですが、香りを嗅いでみると、見た目ほどものすごく重たくはないのかなっていう。

 

大谷・石田:美味しい・・・!

 

大谷:香りはちょっとスパイスっぽい?私が好きなシラーズにも近いような・・・。

 

石田:アメリカのワインって渋みや濃さがあるものが多いので、まだ少し苦手意識があるんですが、これはしっかりとした印象はありつつ、そんなに残る感じでもなくて飲みやすいです。

 

ソムリエ郁子:ジンファンデルは、アメリカならではのブドウ品種で、複雑さとスパイシーさがあります。それに加えてちょっとフルーティーな感じも。口に含んだ後も、余韻がすごく広がりつつも、妙にタンニンが残らないというか。その引き際がすごい、さーって上品で。

 

大谷:確かに!

 

ソムリエ郁子:ラベルを見ると「フレーバープロフィール」が載っていますね。ベリーとナツメグとペッパーのバランスが取れてるなどと書かれていますが、ほんとこの通りで。

 

 

石田:コルクにも色々書いてありますね。

 

ソムリエ郁子:ブドウが採れた時期、「ハーベストデイト」についてとか・・・。

 

大谷: 「ツリーエイジ」は、ブドウの木の年齢ですね。

 

ソムリエ郁子:改めてすごく親切ですし、これだけ情報開示できるのは、品質に自信がある証と言えますね。

 

ボルドーの赤とは似て非なる、アメリカが誇る赤ワイン。

ソムリエ郁子:最後は「メリタージュレッド 2019」。同じ赤でも先ほどのものとは色が全然違いますね。

 

石田:こっちは黒っぽいですね。

 

ソムリエ郁子:なので、こちらは2本目よりも重いんじゃないかなと。で、香りをとってみると・・・すごく、フワーっと、広がりますね。なんだかすごく幸せな気持ちになります。

 

大谷:赤ワインだなっていう感じの、しっかりとした香りが。

 

 

ソムリエ郁子:いろんな香りが層になって重なっていて、バランスが非常に良く取れているなっていう。味わいも、ベリーとかもあるんですが、どちらかというと皮とか・・・。

 

大谷:渋い感じの!

 

ソムリエ郁子:そう、そっち側のニュアンス。あと、ブラックペッパーとか・・・。ちょっと熟成感が出てるかなっていう。あと、あまりタンニンが強くなく、さらーっとしていて。

 

石田:残りすぎない感じですよね。

 

ソムリエ郁子:多層的でありながら、それぞれがあまり主張しすぎないというか。個性がしっかりあるんですけれども、それを味の濃さとかで突出させるのではなくて、終始エレガントなんですよね。

 

石田:過剰じゃないけど、単純ではない、みたいな?

 

 

ソムリエ郁子:そうですね。「ボルドーブレンド」を意味する「メリタージュ」なだけあって、味わいもブドウ品種もボルドーに近いのですが、やはりボルドーの同じくらいのランクのワインと比べて、アメリカのものの方が全面に果実味が出ていて。タンニンもほどよくて、より飲みやすいんですよね。

 

 

〈ドライクリーク・ヴィンヤード〉のワイン哲学。

ソムリエ郁子:ボルドーのヴィンテージワインは素晴らしいですが、お値段もそれなりですのでなかなか手がでにくい。一方、こちらのワインは、ヴィンテージの古いワインと近い複雑さがありつつも、あまり難解すぎることはなく、親しみやすさすら感じられる上に、価格帯もわりと良心的で。

 

石田:だから、僕たちにも飲みやすいし、手にも取りやすいんですね。

 

ソムリエ郁子:ワインには国民性が出ますが、アメリカワインには、明るさや親しみやすさだけでなく、ヨーロッパ諸国などワイン伝統国の歴史を学び継承してきた積極的な姿勢をも含めた、この国の良さがよく現れています。さらにつけ加えると、〈ドライクリーク・ヴィンヤード〉のワインにはエレガントさ、上品さがあり、質の高いワイン造りをコストパフォーマンスと両立しながら体現しているところが、このワイナリーにしかない良さなのではないかと思います。

 

大谷:なるほど・・・!

 

ソムリエ郁子:最後に。今日ご紹介した3本のワインのラベルデザインにご注目ください。

 

石田:すべてにヨットが描いてありますね?

 

ソムリエ郁子:これはワイナリーの創設者のデイヴィッドさんが、若い頃から愛するセーリングをモチーフにしているのだそうです。

 

大谷:そんな背景があったんですね。

 

ソムリエ郁子:ワイン造りとセーリングは、ともにチームワークが求められ、各人がチームの成功に不可欠な鍵を持っています。私たちのチームも、ソムリエ郁子がいて、店頭ではZ世代の石田さんと大谷さんがお客様にワインをお勧めしますね。松屋には幅広い年齢層のお客様がいらっしゃいますので、若い世代ならではの視点や気づき、ソムリエ郁子のようなベテランの知識の両方が大事なのです。

 

大谷・石田:なるほど・・・!

 

大谷:でも今回は、ワインについての話を聞きながら実際に試飲できたので、本当に色々な発見がありました。美味しく飲めただけじゃなくて、知識もしっかり吸収することができたので、この学びをぜひ売場でも発揮していきたいと思います。

 

石田:僕は和洋酒売場に配属されて1年半くらいになるんですけど、初期の頃に一度、このワイナリーの赤ワインを飲ませてもらう機会があって、すごく美味しいと思ったんです。飲みやすいけど単純になりすぎていない感じがしたのが印象的で。その後、ほかにも色々なワインを飲む機会が増えた中で、今回久々に飲んでみたらやっぱり美味しくて。この体験に加えて、ソムリエ郁子さんの話も聞くことができ、ワインの資格取得に向けても、とても勉強になりました。

 

ソムリエ郁子:私も今回、若い二人のクルーに向けて、若い国・アメリカワインの良さについてお話できたのは新鮮でした。この先、二人が「伝道師」となって、アメリカワインの親しみやすさをお客様にいい形でお伝えしてもらえたらと思います。

 

石田:ぜひそうなりたいですね。

 

ソムリエ郁子:今回のこの機会を、新たな「船出」として、これからも皆で美味しいワインをたくさんの方にお勧めしてまいりましょう!

 

大谷・石田:今日はありがとうございました!

ソムリエ郁子イチオシのアメリカワイン
若々しさ溢れる、フレッシュな白ワイン。

〈ドライクリーク・ヴィンヤード〉

ドライクリーク ソーヴィニヨン ブラン 2022 (白/750ml) 5,060円

 

ブドウ品種:ソーヴィニヨン・ブラン/ソーヴィニヨン・ムスク/ソーヴィニヨン・グリ

 

ワイナリーのテイスティングシートには「パイナップル、パッションフルーツ、メロン、オレンジリキュールのトロピカルな香り」とありますが、実際にテイスティングしてみると、メロンやパイナップルのまだ青いフレッシュさが際立っているのに加えて、レモンやグレープフルーツの印象がありました。若さならではの魅力に溢れていて、大谷・石田に通じる良さかと。エレガントな辛口ながら優しい味わいなので、すんなりとお飲みいただけます。和食全般やレモンを少しかけた白身魚のカルパッチョと好相性。

ワイナリーの個性が際立つ、複雑なのに飲みやすい赤。

〈ドライクリーク・ヴィンヤード〉

ドライクリーク ヘリテージ ヴァインズ ジンファンデル 2021(赤/750ml)6,820円

 

ブドウ品種:ジンファンデル/プティ・シラー

 

ジンファンデルの魅力に溢れる一本。熟したベリー、さくらんぼの香りにトーストの香ばしさやスパイスが隠れています。味わいは複雑ですがバランスのとれた辛口でタンニンはなめらか。パワフル過ぎずほどよく上品。シートには、「産地の異なる3種のオーク樽で15カ月熟成、新樽24%」とあり、これが絶妙なバランスを生み出しているのかなと。こちらもボリューム感がほどよいので和食にぴったり。美味しい和牛の赤みを醤油にからませた、すき焼きの横に添えたいですね。

ボルドーの赤ワインとの違いが楽しめる一本。

〈ドライクリーク・ヴィンヤード〉

ドライクリーク メリタージュレッド 2019 (赤/750ml)7,700円

 

ブドウ品種:メルロ/カベルネ・ソーヴィニヨン/カベルネ・フラン/マルベック/プティ・ヴェルド

 

ボルドーの定番品種で造られたワイン。はじめはドライフラワー、レッドチェリーの赤い果実がふんわり香り、そこからさらに多層的な広がりが。スパイスや黒い果実が織り込まれており、果実味が強いので親しみやすさがとてもあります。バランスも良く、ほどよいタンニンでエレガントな辛口。質の良い和牛をシンプルに塩、コショウのみで味付けしたステーキなど、素材を活かした料理と合わせるのがおすすめです。

 

 

今回ご紹介したワインは3本とも共通して、エレガントかつ控えめな良さや親しみやすさがありました。こんな友人がほしいものです。

アメリカを代表するワイナリー〈ドライクリーク・ヴィンヤード〉の美学に触れ、今回もワインの面白さを感じたソムリエ郁子でした。この魅力が皆様にも伝わりますように。

 

 

次回は皆様をフランス・ブルゴーニュの旅へとお連れします!どうぞ、お楽しみに!

バックナンバー

ソムリエ郁子とのワインの旅(フランス篇)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(イタリア篇)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(日本篇)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(チリ篇)の思い出はこちらから。

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