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ソムリエ郁子の365日ワインの旅 第4回 チリ篇

ワインの法律、歴史、造り手など、たくさんの知識は ワインの楽しみ方を広げますが、詳しくなくても問題なし。 ワインは、美味しい。 美味しいものは、人をしあわせにする。 このコラムでは、松屋銀座のワイン売場「グルマルシェ ヴァン」にて 日々、ワインの魅力をお客様にお伝えしつづける「ソムリエ郁子」が、 気軽に楽しめるワインのお話を、生産国ごとにお届けしていきます。
プロフィール
ソムリエ郁子(そむりえ いくこ)
ソムリエの資格を持つ、松屋銀座の和洋酒マネージャー。お酒を飲むと、グラス1杯でトリップできる能力あり。好きな食べ物はりんご。シードルやカルバドスも大好き。最近ハマっているのは、娘と地元の銭湯に行くこと。

飲むほどに気分が上がる、チリワイン。

オラ~♪ 皆様、お元気ですか?ソムリエ郁子です。

 

少し前のことになりますが、郁子は、チリワインの品質向上や国際的な知名度を促進する組織が開催する「チリワインセミナー」に参加してまいりました。

 

たくさんのチリワイン生産者が集まる中、松屋のワイン売場「グルマルシェ ヴァン」でも抜群の人気を誇る〈アロモ・ワイナリー〉の担当者・サイフリードさんが、ひときわ明るい方で。

「アロモのワインの魅力は、とにかく飲んでみないと分からないからね!サルー(乾杯)っ!」と、出会った瞬間から人懐っこい笑顔を浮かべ、自慢のワインをグラスいっぱい注いでくださいました。

グラスが空くごとに「まだまだあるから、どんどん飲み比べて!ほら、ね?どれも美味しいでしょ?ワハハ!」と、豪快に笑い、何種類ものワインを、それはもうじゃんじゃん(!)注いでくださるサイフリードさん。

 

彼のノリの良さにつられ、いつもより開放的な気分で美味しいワインをたっぷりいただき、ラテンのリズムを刻みながら帰宅の途に着いたのが、昨日のことのように思い出されます。

 

こうして記憶を辿っている今も、また、あの素晴らしい味わいのワインを、ムーチョ・・・いえ、もっと、飲みたくなってしまいました。

 

・・・と、思い出ばなしはこれくらいにしまして。

 

今回の「ソムリエ郁子の365日ワインの旅」は、そんな陽気なムードに溢れるチリワインを特集いたします。

コスパとボリューム感だけじゃない!チリワインの現在地。

チリワインと聞くと、皆様はどのようなイメージを抱かれますか?

「コストパフォーマンスの良い気軽なワイン」「親しみやすい」「特別な1本というより、日常のワイン」・・・などといった感じでしょうか。

 

日本では1990年代に「チリワインブーム」があったので、郁子と同世代またはもう少し上の年代の方は、その当時のイメージをそのままお持ちの方が多いかもしれません。

そう、かつてのチリワインといえば、ボリューム感があって、お買い得な、フルボディタイプが主流でした。

 

ところが昨今のチリワインは、コストパフォーマンスの良さは保ったまま、ワインそのものの質が、現在進行形でどんどん進化しているのです。

 

今回は、そんな「チリワインの今」にフォーカスを当て、その魅力を紐解いていきたいと思います。

チリのワイン造りの歴史と、豊かなテロワール。

まず、チリワインの歴史を簡単に振り返ってみると・・・。

世界中のブドウが害虫・フィロキセラに襲われた19世紀、チリのブドウはその被害を受けることがほとんどなかったのだとか。

このフィロキセラ禍に、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国の醸造家や生産者達がチリに移り住み、ブドウの栽培をはじめたところ、この国の土地が特にボルドー品種を生産するのに適していることが分かり、本格的にワイン造りがスタートしたと言われています。

 

また、地中海性気候のチリには、乾期が長く雨が少ない、そして日中と夜間の寒暖差が大きいという、ブドウを栽培するのに最適な条件が揃っています。

主に標高の高いところにブドウを植えるため、農薬を使わずとも病気や虫害の影響をあまり受けず、数多く生産することができるというのも大きなポイントと言えるでしょう。

〈アロモ・ワイナリー〉が描く、チリワインの新たな風景。

このように、もともと素晴らしいテロワールに恵まれたチリでは、ヨーロッパ諸国に比べると、さほどヴィンテージや日照条件などに左右されず、毎年良好なブドウを生産することができていましたが、現在は、自然環境に配慮して無農薬栽培を取り入れるなどといった、ブドウの生産方法の改良や醸造技術の向上により、ますます風味豊かなワインが造られるようになりました。

従来の美味しさに、新たにエレガントさが加わった現代のチリワインは、多面的な魅力に溢れ、世界からの注目も集めています。

 

冒頭でご紹介した〈アロモ・ワイナリー〉は、まさにそんな新生・チリワインを造るワイナリーのひとつ。 醸造責任者がヒメナ・エガーニャさんというチリ生まれの女性醸造家であるところにも、郁子は勝手に親近感を抱いています。 力仕事なども多い中、自ら先頭に立ってワイン造りを行う彼女の姿を想像するだけで、勇気がもらえる気がいたします。

エガーニャさんは、大学の農学部でブドウ栽培と醸造学を学び、チリ各地のワイナリーで修行を重ね、この〈アロモ・ワイナリー〉にやってこられたのだそう。

長年の研究の結果、世界の最新技術からヒントを得て、「ブドウがより太陽の光を浴びられるように畑の向きや傾斜を工夫する」といったことにも挑戦し、豊かな果実味とエレガンスのバランスに長けたワインを生産することに成功しています。

朝と夜の温度差が20度もある、チリ南部のマウレ・ヴァレーでワイン造りを行う当ワイナリーでは、毎年、凝縮感のあるワインが誕生しているのですが、その優美な味わいの中に、ひたむきにブドウと向き合う彼女の熱心さが、そこはかとなく伝わってきます。

 

2022年に100周年を迎えた〈アロモ・ワイナリー〉の、伝統と革新が詰まったチリワインを、ぜひ皆様にお楽しみいただけたらと思います。

ソムリエ郁子いちおしのチリワイン×チョコレート

今回は、バレンタインも間近ということで、いちおしのチリワインとともに、それぞれに合うチョコレートのタイプをご紹介いたします。 ふくよかな果実味とエレガントな味わいが魅力の、昨今のチリワインは、カカオ、チョコレート、キャラメルによく合うものが非常に多いのです。

溢れる果実味。これぞ、チリ生まれの赤ワイン。

アロモ〉バレルセレクション カベルネソーヴィニヨン(赤/750ml) 3,520円

 

松屋で大人気の定番ワインのひとつ。しっかりしたガーネット色で、赤系果実と黒胡椒の香り。リッチな味わいでバレル(樽)熟成を感じます。余韻も長め。バレンタインには、チョコレートと合わせて贈るのも素敵ですね。毎日がんばっている自分へのプレゼントにもいいなと思います。お値段も優しく、味も良く・・・と、自分に甘い郁子にもぴったり。

チョコレートは、カカオ含有量が高めのタイプ(70%から80%くらい)と合わせるのがおすすめです。ワインの香りに含まれているベリーなどの赤系果実や、樽のニュアンスを引き立てる、ほどよい苦みがあるチョコレート。ドライフルーツのベリーや、ナッツが入っているタイプもいいですね。甘さよりほろ苦さ、果実感がポイント。

冬の食卓を彩る、華やかな白。

〈アロモ〉バレルセレクション シャルドネ(白/750ml) 3,520円

 

輝きのある黄金色、バナナや蜂蜜、熟した果実の香りに、樽熟成からくるバニラのブーケが華を添えます。チリワインらしい厚みのある味わいに繊細さもあり、お料理は鶏肉のクリーム煮などクリームソース系のものに合わせるとばっちりです。

柑橘系のアロマがあるので、チョコレートと合わせるなら、レモンピールの入ったタイプなどは相性が良いです。しかしながら、白ワインとチョコレートはペアリングとしては少々難度が高めになるので、こちらのワインは、お料理と合わせる方がより良いかもしれません。

寒い今の季節、おうちでことこと煮込んだクリームシチューの横にこのシャルドネを添えると、心からじんわりと幸せな気分に・・・。やはりとても、おすすめです。

「甘×甘」のペアリングも楽しめる、デザートワイン。

〈アロモ〉アルテミザ レイトハーヴェスト(白・甘口/500ml) 1,980円

 

「レイトハーヴェスト」とは、摘み取り時期を初冬まで遅らせて、糖度の上がった状態でブドウを収穫することにより、甘口に仕上げたワインのことを指します。エレガントな花やシトラスフルーツ、マスカットのふくよかな香りのバランスがとれたデザートワイン。先ほどご紹介したクリームシチューのようなお料理を召し上がった後に、軽くチーズなどと楽しんでみてはいいかがでしょう?

チョコレートは、甘いミルクチョコレートやガトーショコラなど、「甘×甘」のペアリングが美味しくておすすめ。寒い冬に、アイスクリームにこの「アルテミザ レイトハーヴェスト」をかけて食べるなんていう、贅沢な大人の楽しみ方も。

食事のおともに、デザートに・・・と、大活躍なチリワイン。 人に例えるならば、親しみやすくて明るい友人、といった感じでしょうか。

 

今回は、そんな、気取らずいつでも傍らに寄り添ってくれるチリワインをご紹介しましたが、生産国や地域ごとに、様々な特色があり、それぞれの素晴らしさがあるのが、ワインです。

「みんなちがって、みんないい」・・・なんて、かの有名な詩の一篇を思い出したりしつつ。

 

これからも世界中のワインの良さを語りまくってまいります!

次回は皆様を、「アメリカ」のワインの旅へとお連れします。どうぞ、お楽しみに!

バックナンバー

ソムリエ郁子とのワインの旅(フランス編)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(イタリア編)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(日本編)の思い出はこちらから。

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※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

※車・バイクでご来店・お帰りの方、未成年の方へのアルコール提供は固くお断りします。

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