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森さんちに、おじゃましました “北欧” 経由、暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.30
プロフィール
朝ごはんのプレート
わが家では、朝食にパンを食べることが多いです。普段は大抵、食パンで卵サンドか、バゲットにオムレツなど、パンと卵の組み合わせ。前の晩の残り物を適当に挟んでサンドイッチにすることもあります。たまに、ずっしりとしたライ麦パンや酢漬けのニシンなどを手に入れると、北欧スタイルでオープンサンドにしていただくことも。ちなみに酢漬けニシンも卵と合わせて食べることが多く、ゆで卵やスクランブルエッグにして一緒に食べるとおいしいんですよ!
それにしても人はなぜ「朝食」に惹かれるのでしょうね。向田邦子さんの『海苔と卵と朝めし』、米原万里さんの『旅行者の朝食』など作家たちの朝ごはんエッセイをはじめ、「世界の朝ごはん」や「みんなの朝ごはん」といった各地、各家庭の朝ごはんを紹介する本や番組まで、見回せば朝ごはんにまつわるストーリーはたくさん。カフェで「モーニングメニュー」と見れば心惹かれますし、一日を通して朝ごはんを出す、なんてお店もありますよね。
日本の朝ごはんといえば、白いごはんと焼き鮭と海苔と卵。今の時代、実際にはそういう朝食を食べている人は限られている気がしますが、そうした誰もがぱっと思いつく型がある。いつもと同じメニューで、変わらないルーティンであるからこそ、その土地の文化や家庭の風景が見える気がして、旅情をそそり郷愁を誘うのかもしれません。
北欧を旅する時も、朝ごはんが楽しみです。デンマークでよくお世話になる友人の家では、平日の朝はパンとチーズ。あとはヨーグルトとジュース、コーヒー。卵料理を作るのは休みの日だけ、ヨーグルトには「健康にいいから」と蜂蜜を入れるのが友人流。
そういえば初めてデンマークを旅した時に、てっきりホテルの朝食にはデニッシュやライ麦パンが並んでいるのだろうと思っていたのですが、朝食用には小麦のパンが好まれると知って驚いたこともありました。
友人の家の朝食からヒントを得て、我が家で真似ているのは朝食のお皿のサイズ。直径18センチほど、ややこぶりで、もともとはケーキ用とされるサイズです。あ、このくらいのサイズ感がふだんの朝食にはちょうどいいなと、それがしっくりきたのです。大きすぎないからか、準備をするのも片付ける気持ちも、ちょっとだけラク。
休日の朝や時間に余裕のある時にはパンケーキを焼いたり、細切りのじゃがいもに卵を落としたり、ちょっと手間をかけますが、そうした料理をのせるのは普段よりもひと回り大きめのプレート。気持ちの余裕が、そのままお皿の大きさに反映されているみたいですね。ちなみにこの青い花が描かれたお皿は、フィンランド語で「朝」と名付けられた柄。休みの日は限りなく昼に近い時間に使うことが多いのですが、それでもやっぱりこれは朝ごはんのプレートなんです。
毎朝きちんと同じメニューを用意して清々しく一日をスタート、とはいかなくとも朝のプレートでごはんを食べることができれば、一日の始まりとしては良し。新生活のはじまりや季節の変わり目についていけない……と気持ちが焦る時や、バタバタが続いて普段どおりが崩れがちな時こそ、そんな風に思って乗り切っています。
ワンプレートに和食器も。
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