その他
その他
森さんちに、おじゃましました “北欧” 経由、暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.29
プロフィール
組み合わせると、もっといい色
見てください、この組み合わせ。色とりどりの花が出てきて、花屋さんで選ぶのも楽しいこの時期。くりっとした愛らしい黄色のラナンキュラスに目を奪われました。さてどの花瓶に活けようかと迷う時間も楽しいのですが、青いしましまに収まりました。

青と黄色の組み合わせが、好きです。青と黄色といえばスウェーデンの国旗色。「だから好きなんですか?」と聞かれることもあるのですが、青や水色は子どもの頃から好きだった色。一方の黄色は、それ単体では選ばなかった色です。今でも黄色は時に躊躇する色なのですが、青と合わせるとお互いが引き立つ!そう気づいてからは、積極的に楽しむようになりました。そんなわけで、わが家には青と黄色の組み合わせがあちこちにあります。

ミモザも見つけると買いたくなる花。青いガラス器や青系の花と合わせるのが定番です。以前の記事で「花瓶を花の色に合わせるとまとまりやすい」と書いたことがあります。「ピンクやベージュ、パープル系なら淡いピンク色の花器、青系なら青いガラス器に」などなど。では、黄色の花は黄色い花瓶……とはなりませんでした。黄色の花はもっぱら青系の花器に合わせるのがお気に入りです。

器も紺色や水色を選ぶことが多く、黄色は以前だったら選ばなかった色。でも青のなかに黄色を少し交ぜると、差し色になってとっても可愛いんですよね。
そしてキッチンにも、青と黄色の組み合わせ。この黄色い棚は、キッチンをリノベーションする前から使っていたもので、リノベ前のテラコッタ調のタイルを使ったキッチンの中ではだいぶ浮いていたんです。なぜテラコッタ調のタイルにも関わらず青☓黄色で棚を作ってしまったかといえば……ただただ若気の至りです。「青と黄色の棚なんて、ぜったい可愛い!」と、使う場所との相性をよく考えずに作っちゃったんです。今のキッチンになって、スウェーデンからやってきた青い葉柄の壁紙との相性もばっちりで、ようやく居場所を見つけた感じです。

青と黄色といえば、フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキの代表作のひとつ『浮雲』には青と黄色のモチーフが繰り返し出てきます。少し色褪せたような淡いレモンイエローのキャビネットと青の組み合わせがそれはそれは素敵で、私にとって理想的な青と黄色の使い手といえばカウリスマキなのです。最近は配信でも手軽に見られるようになったカウリスマキ作品は、インテリア好きにもおすすめです。
色の組み合わせって、本当に試行錯誤の連続です。単体で見ると可愛いけれど、合わせるのが難しい色もあれば、別の色と合わせたらがぜん素敵に見える色もある。何しろ器でも花でもテキスタイルでも洋服でも、私は色を取り入れるのが好きなので、失敗も多々。それでも色合わせの楽しさはやめられません(キッチン棚など、大物で失敗すると落ち込むこともありますけれどね……!)。花だったら手軽に挑戦できるので、花の種類が増えるこの時期は色合わせも積極的に楽しんでいます。オレンジ系にグリーンとか、派手なピンクに地味めの水色などなど、服やインテリアではなかなかできない組み合わせも楽しいもの。みなさんも、お気に入りの色合わせはありますか?
さて最後にお知らせです。新刊『日本で楽しむ わたしの北欧365日』が発売となりました!1日1ページ、写真とエッセイで北欧を楽しむ365日を紹介する一冊です。今回ご紹介したような、色を合わせるコーディネートや、季節の彩りの楽しみ方もご紹介しています。

『日本で楽しむ わたしの北欧365日』森 百合子 著(パイ インターナショナル刊)
表紙の写真に写っているテキスタイルも、帯や文字色も青と黄色の組み合わせでしたね。新生活がはじまるこの時期に、北欧経由の日々を楽しむ暮らしのヒントをお楽しみいただけたら嬉しいです。
vol.28「桜と北欧」はこちら
カラフルなアイテムが揃います!