その他
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森さんちに、おじゃましました “北欧” 経由、暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.27

プロフィール
森 百合子mori yuriko
北欧5ヶ国で取材を重ね、旅や暮らし、デザインの情報を中心に発信。著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社)、『いろはに北欧 わたしに“ちょうどいい”旅の作り方』(ダイヤモンド・ビッグ社)ほか。執筆活動に加えて、NHK Eテレ『趣味どきっ!』、NHK 総合『世界はほしいモノにあふれてる』などメディア出演や講演を通じて北欧の魅力を伝えている。

ちょうどいいを探す

スウェーデン語に「Lagom(ラーゴム)」という言葉があります。直訳すると「ちょうどいい」「ほどほど」といった意味で、スウェーデンの人たちはこの言葉をよく使います。たとえば食事の量がちょうどいい場合でも、天気がほどよく穏やかな時も、そしてインテリアについても。
多すぎず、少なすぎない。ベストチョイスというよりは、ほどほどな感じ。ちょうどいいといえば前向きに聞こえますし、ほどほどというと、なんとなく後ろ向きな印象もあります。スウェーデン人の国民性を表しているといわれるこの言葉の曖昧さが面白いなあと気になって調べていくうちに、こんな本も見つけました。


ラーゴムに関する本は日本語でも出ているのですが、スウェーデンのジャーナリストが書いたこの本はとくに面白く、「ラーゴムに通じる世界の言葉」という章では日本語の「choudo ii」が紹介されていました!

ラーゴムとは果たして快適な意味での「ちょうどいい」なのか、それとも多くを望んではいけない自制的な意味なのか?……この本によると答えは、両方。

思えば住まいと向き合う時に、ラーゴムの感覚って大事です。家のなかを見回してみると、家具でも生活道具でもすべてが「最高」ということはないですよね。機能や使いやすさ、サイズなどいろいろ制約のあるなかで、ほどほどが選べればいいものってたくさんあります。もちろんベストなものが見つかれば何よりですが、「このくらいで、ちょうどいい」ぐらいの感覚で選んで、それが部屋にフィットしていることってよくあります。

ストイックにベストなものだけを求め続けるのではなく、自分にとってのちょうどいいを見つける。このバランス感覚が住まいづくりにとっても必要な感覚ではないかなと思うのです。ラーゴムの感覚があるから、スウェーデンの人はインテリア上手なのかしら、と。




一方で、例えばポスターの飾っている位置がもうちょっと高い方がいいかなとか、ここの照明の明るさをもう少し調整してみようとか、ちょっとした気になることを「ラーゴム」にできると、部屋が居心地よくなっていきます。朝食の皿にはこのくらいの大きさがちょうどいいし、この花瓶にはこのくらいの花がちょうどいいとか。ちょうどいいが見つかると、部屋づくりは楽しくなります。大事なのは「ちょうどいい」を決めるのが自分だということ。ほどほどでいい部分と、ちょうどいいを見つけたい気持ちと。自分にとってのラーゴムを知るのが、心地良い暮らしの秘訣なのかもしれません。


わが家の猫ホタテは「ちょっとそれ、あなたには狭すぎるのでは……?」と思われる箱にぎゅうぎゅうで寝ていたり、「えっそんなところで」と思う場所でよくくつろいでいるのですが、それが彼のラーゴムのようです。


vol.26「素敵なベンチ要員」はこちら

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