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森さんちに、おじゃましました 暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.11

プロフィール
森 百合子mori yuriko
北欧5ヶ国で取材を重ね、旅や暮らし、デザインの情報を中心に発信。著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社)、『いろはに北欧 わたしに“ちょうどいい”旅の作り方』(ダイヤモンド・ビッグ社)ほか。執筆活動に加えて、NHK Eテレ『趣味どきっ!』、NHK 総合『世界はほしいモノにあふれてる』などメディア出演や講演を通じて北欧の魅力を伝えている。

カーテンとの付き合い方

わが家ではテキスタイルを部屋のさまざまな場所に取り入れています。リビングでいちばん存在感を放っているのがカーテン。春先、夏、秋から冬へと季節の変わり目にはカーテンを変えます。春夏は明るめの色、冬は温かみのある色合いにしたり、もみの木柄など季節にあわせたモチーフのテキスタイルを使うことも(この連載をさかのぼって見ていただけると、さまざまなカーテンがかかっているのをご覧いただけます)。


vol.1「暮らしに色を取り入れる」はこちら

vol.2「部屋の心地よさを、灯りから考える」はこちら

vol.8「夏にむけて、部屋の衣替え」はこちら

部屋に入ってぱっと目に飛び込んでくるカーテンが変わると、部屋の印象も変わります。カーテンというと仕立てるのが大変なイメージがありましたが、わが家ではカーテンロッドにそのまま通しているだけ。横も縫わずにそのままにしています。とくに柄を楽しみたいテキスタイルの場合は、ヒダを作らずフラットに仕上げると壁紙のようにも楽しめていいのです。



スウェーデンに暮らす友人の家ではヴィンテージの名作テキスタイルを贅沢に使ってカーテンにしていました。でもカーテンの裾を見ると、ちゃんとミシンがけしておらず、適当に折ってヘアピンで留めていただけだったんです。思わず笑ってしまいましたが、このくらい気軽な感じで付き合ってもいいのかなと思ったのです。お気に入りのテキスタイルってハサミを入れたり、ミシンで縫う時に失敗しないかドキドキしますよね。サイズを間違えてしまったらどうしようとドキドキしすぎて、いつまでもなかなか手が出せなかったりします。だったら切らずに折ってアイロンがけしてピンで留めたり、丁寧にミシンがけをしなくともざっくり手縫いで留めるだけでもいいんじゃない?と。




じつは北欧では窓にカーテンをしない家も多いです。北欧へ行き始めた頃、窓から部屋の中が丸見えなことに驚きましたが、「カーテンをしている家は隠し事をしている」なんて言われることもあるそう。カーテンをかけている場合も、生地がレース地だったり、光を通すような薄い生地だったり、窓の上部、もしくは下部だけにかけていることも多いですね。冬になると日照時間が限られる北欧では「貴重な太陽の光を遮断するなんて!」という思いが強いのでしょう。だからカーテンは色や柄を楽しむもの。そうした使い方が多いように思います。日本だとカーテンは「視線や日光を遮るもの」とされているので、考え方がだいぶ違いますよね。

北欧式カーテンのあり方に影響を受けて、わが家でも部屋によってはそれほどきっちりしなくてもよいのかも、と薄手のテキスタイルやサイズの足りない布も積極的に使うようになりました。わが家のリビングの窓枠は幅が170センチほどあり、通常は布2枚で覆うサイズですが、140センチほどの幅の布をフラットにかけて、足りない分には短い幅の無地の布を合わせています。良いテキスタイルはお値段もそこそこしますし、カーテンだから2枚なくては……となると挑戦しづらいですが、これなら一枚でなんとかなります。無地の布は、メインのテキスタイルにある色を選ぶと相性よくまとまります。気に入って買ったものの、まだ使いみちの決まっていないテキスタイルがあったら、こんなアイデアでカーテンにしてみるのはいかがでしょう?




最後に、テキスタイル選びのヒントを。大判の布を手に入れた時にはカーテンにするか、テーブルクロスにするか迷うところですが、人物が描いてあったり、上下のあるデザインの場合はカーテンにすると絵柄がひきたちますよ!


vol.10「サムシング・オールド」はこちら

カーテンで、お部屋の印象を変えてみませんか?

松屋銀座で “お手伝い”ができそうなショップをご紹介いたします。

7階マリメッコ

お部屋が一気に明るい雰囲気に変わりそうな柄のファブリックがたくさん。常時約75種を揃えています。

7階ヌノワークス

日本各地の染織産地で布を作り続けているブランド。大胆でモダンな色使いが多く、落ち着いた上品な雰囲気に。

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