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カルチャー/リビング・ホビー

森さんちに、おじゃましました “北欧” 経由、暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.2

プロフィール
森 百合子mori yuriko
北欧5ヶ国で取材を重ね、旅や暮らし、デザインの情報を中心に発信。著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社)、『いろはに北欧 わたしに”ちょうどいい”旅の作り方』(ダイヤモンド・ビッグ社)ほか。執筆活動に加えて、NHK Eテレ『趣味どきっ!』、NHK 総合『世界はほしいモノにあふれてる』などメディア出演や講演を通じて北欧の魅力を伝えている。

部屋の心地よさを、灯りから考える
「北欧らしいインテリアにするには、どうしたらいいですか?」と質問を受けることがあります。私が声を大にしてお伝えしたいのは「まずは部屋の中の照明を見直してみましょう!」ということ。灯りこそ、北欧インテリアの命だと私は思っています。  北欧で友人宅を訪ねると、部屋のなかにいくつもの照明器具があることに驚きます。食卓の上にはペンダントライト、そして部屋のコーナーや壁にはフロアライトや壁面照明があり、窓辺にもキャンドルや照明をともして、明るさを作り出しています。天井の大きな照明ひとつで部屋全体を明るくするのではなく、小さな灯りを重ねているのです。  日本の家の明るさに慣れている目には、最初は薄暗いように思えた灯りも、次第に心地よく感じるようになりました。目にまぶしくない、やわらかな光が作り出す空間は気分をリラックスさせたり、人との距離感を縮めてくれるような効果があります。もちろん仕事机をはじめ読書や作業をする場所にはデスクライトやスポット照明などで必要な明るさを確保しています。目的に合わせた明るさが、部屋を心地よくするのです。
北欧を旅するようになって、わが家にはさまざまな灯りがともるようになりました。テキスタイルを使ったランプシェードや、泡のようなユニークな形の照明など、灯りがついていない時にも目を楽しませてくれるデザインもあります。またガラスや紙などシェードの素材によって、灯りの表情が変わるのも面白いのです。北欧に行くと時折デパートや専門店を歩いて、ずらりと並んださまざまなタイプの照明を見ながら、今度取り入れるならどんな形がいいかな、とイメージを膨らませたりします。
いきなり北欧流は難しくても、例えばペンダント照明の吊るす高さをすこし調整してみるだけでも、食卓や部屋の印象が変わります。日本では明るさを重視し、じゃまにならないようにと上の方に吊るすことが多いのですが、すこし低めに吊るしてみるのがおすすめです。食事をするのに十分な明るさと、心地よさをもたらす明るさのバランスを見ながら、ちょうどいい高さを見つけると部屋の表情がぐっと変わりますよ。また暗くなりがちな部屋の隅にお気に入りのライトを置くと、その場所が魅力的に見えてきます。照明器具に合わせてテキスタイルやお気に入りのオブジェを飾ってみたり、インテリアの楽しみ方にまた広がりが出てきます。
クリスマスに向かう今の時期、北欧の家の窓辺には星型やツリー型の照明が並びます。街中も住宅街も、どの窓を見てもひとつひとつクリスマスの灯りがともっていて、最初はびっくりしましたが同時にワクワクしました。わが家でこの時期、窓辺に吊るすのはハート型の照明です。デンマークのレ・クリント社によるプラスチックペーパーを使った照明で、ふんわりとした明るさが気に入っています。このハートの形はデンマークのクリスマスにおなじみの飾りで、色紙で作ってツリーに飾り付けたり、テキスタイルのモチーフで描かれることも多い伝統の形。窓辺にこれをともしていると、ご近所の方に「いいわねえ!」と声をかけられることも。部屋の外にいる人も楽しませるなんて、ちょっと誇らしい気分でもあります。
北欧式の灯りを手軽に取り入れるならキャンドルもおすすめです。北欧には素敵なデザインのキャンドルホルダーもたくさんあります。クリスマス専用のデザインもありますし、キャンドルの色を赤くするだけでもクリスマス気分があがっていいですよね。
北欧の家庭ではクリスマスの4週前から、アドベントキャンドルに火がともります。4本のキャンドルを毎週一本ずつともしてカウントダウンしていくのです。今年のクリスマス時期はいつもよりおうちで過ごす時間が長いはず。灯りの力を見直して、心地よいひとときを過ごしてみませんか?
vol.1「暮らしに色を取り入れる」はこちら
暮らしに灯りを取り入れる“お手伝い”

松屋銀座でお手伝いができそうなショップをご紹介いたします。

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