カルチャー/リビング・ホビー

からだと心に効くおはなし 第4話

季節の変わり目を健康に過ごすために。からだと心を穏やかに整えるコツを、 様々なひとのお悩みに寄り添い続ける、漢方相談員・河端さんがご紹介します。

今月のワンポイント

お屠蘇で、健やかな新年を。

お屠蘇は、新年の無病長寿を祈願する飲み物です。生薬をお酒に浸け込み、元旦に飲むと一年の邪気が払われるとされています。〈漢方みず堂薬局〉でも、桂皮(シナモン)・陳皮(みかん)・乾姜(ショウガ)・桔梗(キキョウ)・山椒(サンショウ)・丁子(チョウジ)をブレンドした風味豊かなお屠蘇をご用意しています。

河端孝幸氏 漢方相談統括アドバイザー兼薬剤師。九州を中心に展開する〈漢方みず堂〉の代表取締役社長。

銀座店7階美と健康に〈漢方みず堂薬局〉がオープンいたしました! どうぞお立ち寄りください。
【お問い合わせ】03(6228)6102〈直通〉
病気を治すものは?

どなたでもご経験があるかと思いますが、子供の頃についた小さな傷は、放っておけば自然に治りましたよね。転んで膝を擦り剥いたり、タンコブを作ったり、しませんでしたか?でも、そのときの傷、今は消えていますよね。それと同じで、ちょっとした風邪くらいなら、寝ていれば治ってしまうものです。そう。人間には、自らの力で怪我や病気を治そうとする「自然治癒力」が備わっているからです。自然治癒力を高めること。これが病気を治す道だと、漢方の世界では考えます。

「扶正祛邪(ふせいきょじゃ)」という言葉があります。「扶」は助けるということ。まずは正しい力、正気とも言いますが、自然治癒力を正すことが一番。その次に「祛邪」、悪いものを取り除くこと。この順番が肝要だという漢方の教えです。病気になると、さまざまな症状が出ます。風邪をひいたら、熱や咳が出たり、ひどい下痢をしたり…。症状が辛いときは、薬を服用することも大切です。ですが、そうなる前に、まずは自分自身に備わっている自然治癒力を存分に高めることが先決なのです。

私が大学を卒業し、漢方の世界に飛び込んだときに出合ったのが、小倉重成氏の『自然治癒力を生かせ』という本でした。そこには、漢方によって自然治癒力を高め、病気にならない体を目指す道が書かれていました。病気が治るということは、こういうことなんだと、大変感銘を受けた一冊です。漢方の力で体質改善が期待できるとされる所以は、この根本思想から来ています。詳しくは、拙著『感謝からはじまる漢方の教え』をご一読ください。

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