その他
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森さんちに、おじゃましました “北欧” 経由、暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.24

プロフィール
森 百合子mori yuriko
北欧5ヶ国で取材を重ね、旅や暮らし、デザインの情報を中心に発信。著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社)、『いろはに北欧 わたしに“ちょうどいい”旅の作り方』(ダイヤモンド・ビッグ社)ほか。執筆活動に加えて、NHK Eテレ『趣味どきっ!』、NHK 総合『世界はほしいモノにあふれてる』などメディア出演や講演を通じて北欧の魅力を伝えている。

繰り返しの法則

先日リビングに飾った花。その奥のソファに置いたブランケットと花の色が偶然にも調和していて、思わず写真に収めてみました。


色を繰り返す、同じ素材や型を繰り返す。これは北欧インテリアでもよく使われているテクニック。差し色となるような色を繰り返したり、絵や写真の額、花瓶、オブジェなど同じ型や素材、色を繰り返すことで、リズムを作って飾るのです。

思えばおしゃれもそうですよね。靴下やストールなど小物類の色を合わせたり、アクセサリーの素材を揃えたり。個性を出しつつ、全体のまとまりをよくするテクニックなのだと思います。


こちらはデンマークの友人宅。改めて見てみると繰り返しがあちこちに。右側の吊り棚は同じものが2つ上下に並んでいますし、正方形のフォルムは左の絵とも調和しています。
そして窓辺のグリーンにはじまり、食卓のテーブルマット、棚上のボウルや花瓶、さらに絵の中にもグリーンが繰り返されています。彼女は食器や生活道具が大好きな目利きで、置かれている物一つ一つを見てもセンスがいいのですが、こうして空間として見た時の調和している具合が絶妙なんですよね。


こちらはスウェーデンの友人宅。テキスタイルやオブジェなど60年代のデザインが好きな彼女の家には個性的な色や柄、物がたくさん!強い色やパターンが多いのにごちゃごちゃせずに調和して見えるのは、色が揃っていること、そしてこの年代ならではのテイストが繰り返されているからかな、と思います。

赤やオレンジに目を奪われますが、秘かにグリーンが効いていて、棚の中央に置かれた深緑の丸いキャンドルが連なったホルダーと、横に置いた花がどことなく対になっているのも面白いですし、フクロウの置物も2つ並んでいるのがまた素敵。右側に置かれたガラスの器も、ひとつではなく繰り返しているのがいいんですよね。

こうした、ひとつのアイテムだけでは作れない、物と物が調和した空間づくりを見るにつけ、本当に彼らはインテリアの達人だなあと唸ってしまいます。


そうしてわが家でもちょっとずつトライしてみるわけです。色を繰り返したり、型を連ねてみたり。本棚に収まらない本の背表紙が偶然、棚にしまったガラスの器と同じ色だったので、この本はここが定位置になりました。


このコーナーにはポスターを2枚、連ねています。いまではポスターや絵を飾る時には数枚を一緒に飾ることに慣れましたが、以前はポスターを2枚並べるなんていう発想がなかったのですよね。
部屋をセンスよくまとめるには、よりシンプルに物を減らして……という方向に行きがちですが、繰り返しの法則も時に役立ちます。ひとつよりふたつ、みっつと繰り返す方がいい時もある。単体ではそれほど出番のなかった物が、繰り返しの法則で活きてくることもあるんです。冒頭写真の花瓶やキャンドルホルダーがまさにそうで、ひとつで使うにはちょっと物足りないと思っていたのが、組み合わせてみたらいい存在感に。繰り返しの法則、ぜひ意識してみてください。


vol.23「部屋を心地よくする理由」はこちら

「繰り返し」に使える小物たち

(上)7階テーブルジョイ(下)7階スガハラ
ランチョンマットや花瓶は取り入れやすい「繰り返し」の一助になるアイテム。形を合わせたり、色を合わせたり、素材を合わせたり…。季節や気分によって衣替えしやすいのも楽しいですね。
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