その他
その他

森さんちに、おじゃましました 暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.15

プロフィール
森 百合子mori yuriko
北欧5ヶ国で取材を重ね、旅や暮らし、デザインの情報を中心に発信。著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社)、『いろはに北欧 わたしに“ちょうどいい”旅の作り方』(ダイヤモンド・ビッグ社)ほか。執筆活動に加えて、NHK Eテレ『趣味どきっ!』、NHK 総合『世界はほしいモノにあふれてる』などメディア出演や講演を通じて北欧の魅力を伝えている。

ワードローブのお守り

みなさんの手持ちの服のなかでいちばん古い服って、いつ頃に買ったものでしょうか?私はですね……これを言うとものすごく驚かれるのですが、小学生の時に父に買ってもらったスカートです。思い出として捨てられずに取ってあるのではなく、現役で着ている一着です。 出張先で見つけたからとスコットランド製のキルト風スカートをおみやげに買ってきてくれたんですね。小学校6年生の時でした。もらった時にどう思ったかは、いまでもよーく覚えています。「タータンチェックのロングスカートなんて、ダッサ!!!」


「こんなの絶対に着ないわあ」と決めつけたわりには「質が良さそうだし、きっとそれなりのお値段がしたんじゃないの……」などと思って捨てられず、クローゼットの奥に押し込まれて数年間。大学生の頃にふと黒のニット&タイツで合わせたら可愛いかも?と思いついて着るようになりました。「これね、小学生の時に買ってもらった服なの」と打ち明けつつ着るのもなんだか愉快で、結局いままで持っているというわけです。だいぶ年季も入ってきましたが、もはや捨てられません。父もまさか「ダッサ!!!」と一蹴されたスカートがまだ現役で着られているとは思ってないでしょうね。改めて見ても仕立てが良くて、古びないデザインで、恐るべし定番の力です。



このスカートは、いまでは自分にとってワードローブのお守りのような存在でもあります。私はおしゃれに目がなく、ここ数年は北欧ブランドを試してみたりと新しいデザインやメーカーを探すのも好き。北欧はアパレル業界でも早くから環境への意識が高まっていて、サステナブルファッションの考え方が当たり前のように浸透しているのも魅力です。北欧のデザイナーやものづくりの現場からは考えさせられる機会がいっぱいあって、パリジェンヌのように10着で暮らすのは無理でも、買いすぎないこと、服好きとしてどう服を選んで付き合っていくかを意識するようになりました。そして究極のサステナブルファッションといえば、やはり買ったものを大切に長く着ることなんですよね。



12月のイベントシーズンから年明けセールの始まる1月は毎年クローゼットの見直しをする時期なのですが、今年は一着一着、いつ買ったものかを思い出してみました。インテリアにくらべると衣服は循環が早いものですが、それでもワードローブ内の長寿率を高めていきたい。このスカートはそれを改めて意識させてくれる一着なのです。数年おきにやってくるタータンチェックの流行時には「これがあるし」と、踏みとどまれますしね。お父さん、よくぞ選んでくれました(いまごろですけど)。

ちなみにうちの父はどちらかというと、というかかなりおみやげ選びが下手で「どこでこんなものを見つけてくるのか……」と言葉を失うことも多いのですが、こうしてしれっと愛用しているモノもありますし、珍品すぎて話のネタになることもありますので、世のお父様におかれましては「ダッサ!」とケチをつけられても、めげないでほしいなあと思います。


vol.14「部屋にトレンドは必要?」はこちら

大切にしたいファッションアイテムはここで見つかるかも。
3階リタズダイアリー

「リタ」という架空の女性の部屋をイメージしたセレクトショップ、リタズダイアリーは、品の良さをベースにした大人の女性にしっくりくる可愛らしいアイテムの宝庫。ミナ ペルホネンをはじめ、注目の日本のデザイナーズブランドをメインに、洋服から雑貨まで幅広くそろいます。

シェアする
TOPへ戻る ポイントWEBサービス
ログイン