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森さんちに、おじゃましました “北欧” 経由、暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.9
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北欧の夏のレシピ
北欧料理というとオーブンを使った料理や煮込みなど、寒い季節のメニューが思い浮かぶでしょうか。今回は北欧の夏レシピをひとつご紹介したいと思います。フィンランドの夏のスープ「ケサケイット」です。

ケサはフィンランド語で夏、ケイットがスープの意味。えんどう豆や新じゃがなど北欧の夏の味をたっぷりと入れた、クリーム仕立ての冷たいスープです。

北欧の伝統的な家庭料理は、下ごしらえなど手間がかからない簡単なレシピも多く、とくにスープは手軽にできるものが多いです。北欧の食を取材し始めた頃に、フィンランドのシェフから聞いて今もよく覚えている言葉が「北欧料理に、失敗なし」。思わず笑ってしまいましたが、実際に自分でトライしてみて確かにこれなら失敗しにくい!と感じることは多いのです。
ケサケイットの作り方
【材料 約4人分】
グリーンピース 50gほど
玉ねぎ 小1個
じゃがいも 中2個
にんじん 1/2本
ディルや小口ねぎ(あればでOK) 適宜
水 600ml
ブイヨン 1/2個
牛乳 100ml
生クリーム 100ml
砂糖 小さじ1
塩 適宜
小麦粉 大さじ1
1. お湯を沸かしてブイヨンを入れ、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんをさいの目切りにして入れる。
2. 小さな容器で砂糖、塩、小麦粉を混ぜ合わせ牛乳で少しずつのばし、鍋に加える。
3. 生クリームとグリーンピースを加え、塩で味を調整する。食べる時に、刻んだディルやねぎを散らす。
どうでしょう、なかなか簡単ですよね? 乳製品が豊富でおいしい北欧ではクリーム仕立てのスープは定番メニューなのですが、このケサケイットはほんの少し砂糖と小麦粉を入れるのがポイント。甘みととろみが加わります。フィンランドの友人は「子どもの頃はこのとろみが苦手だった」なんて言っていましたが、サマーハウスで味わった本場のレシピでは確かにかなりとろみが強めでした。今回のレシピでは食べやすいように小麦粉の量を少なめにしています。


クリーム仕立てのスープには、ライ麦や全粒粉のパンがよく合います。わが家では、スープだけ作って、あとはパンを用意するだけの簡単なおもてなしをすることもあります。じゃがいもや豆類が入ったスープはお腹にたまって、これ一品だけでも満足感があるのですよね。スープに入れる野菜はあるものでOK。カリフラワーやいんげん豆などもあいますし、えのきやエリンギなどキノコ類を入れてもおいしいです。でも夏のスープらしさを出すならグリーンピースは外せません。

初めて夏のフィンランドへ行った時にとても印象に残ったのが、市場や広場に青々とした豆の屋台が出ていたこと。日本のグリーンピースにあたるえんどう豆は、北欧では夏の味なんですね。そして驚いたのが、地元の人達はそれを買って生のまま食べてしまうこと!さやを割って中の豆だけをポリポリと食べて、皮はそこらにポイッと捨てていく人も。屋台近くの地面に豆の皮が散らばっていたのには笑ってしまいましたが、これもまた北欧の夏の風物詩と言えるかもしれません。

デンマークの友人宅に滞在していた時にも「豆がもう並んでた!初物よ!」と嬉しそうに友人が持って帰ってきたことがありました。食卓に置いた瞬間、その場にいた家族みんなが手を出してあっという間にひと山を食べ尽くしてしまったのにも驚きました。いやすごかったですね、夏の豆への情熱といったら!
北欧の家庭で親しまれているレシピをもっと知りたいと思った方は、ぜひ拙著『北欧のおもてなし』もチェックしてみてください。スープやおやつなどおいしくて簡単な北欧のおうちレシピをご紹介していますので、ご覧いただけたら嬉しいです。

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