メガネも補聴器もより良い人生を楽しむためのアイテムだとお伝えしたい
1級眼鏡作製技能士/認定補聴器技能者石田しずか
東京メガネ松屋銀座店に勤務。
1993年に東京メガネに入社し、そごう千葉店、西武池袋店を経て、2022年7月より松屋銀座店でメガネと補聴器の接客を担当する。
明るく親しみやすい性格で、趣味は食べ歩きと散策。
松屋銀座の7階、インテリアやリビング用品を扱うフロアの一角に東京メガネがあります。そこで、お客様のご要望に合うメガネや補聴器選びをお手伝いしているのが、1級眼鏡作製技能士であり、認定補聴器技能者でもある石田さんです。指名で来店されるお客様もいらっしゃるという石田さんに、メガネや補聴器選びのコツを聞きました。
的確な測定でお客様にフィットする補聴器・メガネを提供
――石田さんが取得されている「眼鏡作製技能士」と「認定補聴器技能者」はどのような資格なのでしょうか?
石田:「眼鏡作製技能士」は2022年から始まった、公益社団法人日本眼鏡技術者協会が認定する国家資格です。それまでは「認定眼鏡士」という民間資格があり、私は2022年にそちらを取得後、眼鏡作製技能士を取りました。視力測定の精度、レンズ加工、フィッティングなどの能力が求められる資格です。
「認定補聴器技能者」のほうは、公益財団法人テクノエイド協会が認定する「聞こえ」の改善をサポートするスペシャリストのことです。
――「聞こえ」のスペシャリストというと?
石田:認定補聴器技能者は、補聴器を安全かつ効果的に使用するために、なんとなく「聞こえる」「聞こえない」ではなくて、具体的な数値をチェックすることで、聞こえ具合を総合的に判断することができる資格です。
――資格を取得したきっかけを教えてください。
石田:どちらの資格も上司のすすめがきっかけで、認定補聴器技能者は2008年に取得して、主に補聴器の販売に力を入れてきました。メガネの販売を担当することもあり、後輩が増えて、彼らの学ぶ姿勢を見るうちにメガネについても改めて学び直したい、という気持ちが芽生えました。
――資格を取得されて、業務の上で何か変化はありましたか?
石田:自分の接客に自信がついたような気がします。名刺にも資格名を記載しているので、お客様にも「資格を持っている人」だと安心していただけているのではないかと思います。
――耳の聞こえ方には個人差があるので、自分に合う補聴器を選ぶのは難しいという話も聞きます。補聴器の選び方にポイントはあるのでしょうか。
石田:まずは、聞こえにくいのはどの音域なのかを把握することが大切です。一般的には、高い音の方から聴力が落ちることが多く、低い音がどこまで聞こえるかによって、どのメーカーの補聴器がおすすめかが変わってきます。
また、ご本人様がどのくらい雑音に敏感なのかも重要なポイントですね。ただ、聞こえ方には好みがあるので、実際に使っていただくことが一番です。売場には試聴器をご用意しているので、実際にご自宅で生活しながら試してみていただけたら。
――お試しができるのはありがたいですね。メガネの選び方については、いかがでしょうか。
石田:基本は、メガネがお顔の幅に合っているかどうかが重要です。あとは、軽さやかけ心地が基準になります。
ただ、メガネは毎日身につけるものなので、デザインがかわいい、色がキレイなど、ご本人の気分が上がるかどうかも大切だと思います。ファッションに合わせて、メガネを変える方もいらっしゃいますから。
――確かに、メガネは機能性だけじゃなくて、ファッションの要素も大きいですよね。その両方を叶えてくれるメガネを見つけたいところです。
石田:そうですよね。特に海外ブランドはオシャレなメガネが多いですが、鼻当てがついていないものも多く、日本人がかけるとずり落ちやすい傾向があります。そういう場合は、オシャレと機能性を両立するため、鼻当てを高くする修理のご提案をしています。
――確それは嬉しいご提案です。石田さんご自身は、どんなメガネを使っていらっしゃいますか?
石田:今は、3本のメガネを持っています。フチなしの白いフレームと、赤いメタルフレーム、それとクリアピンクのセルフレームを気分で使い分けています。
赤いメタルフレームで接客したときは、「同じものが欲しい」というお客様がいらして、何本も販売しています。
クルーが優しく、ゆったりとお買い物できる雰囲気が松屋銀座の魅力
――石田さんご自身は、松屋銀座でお買い物することはありますか?
石田:ありますよ。パンが好きなので、ブレッドストーリーでパンを買うことが多いですね。特に「アンデルセンエトランゼ」はほんのり甘く、ふんわりとした生地が美味しくて、大好きなパンです。あとは、贈り物用にお菓子を買うことも多いですね。とにかく食べることが好きなので、休日もグルメ活動をしています(笑)。
――松屋銀座でお買い物する楽しさは、どんなところに感じますか?
石田:どのお店もクルーが優しいなと思います。松屋銀座は全体的にアットホームで柔らかい雰囲気があって、落ち着いて商品を選ぶことができるんですよね。クルーも、すごくいいタイミングで声をかけてくれますし。
銀座という土地柄もあるのか、ゆったりとした雰囲気があるような気がしています。だから私が売り場に立つ時にも、落ち着いて接客できているのかなと思いますね。
――先ほど、グルメ活動をしているとのことでしたが、お休みの日はどんなふうに過ごしていますか?
石田:お休みの日は、よく食べ歩きをしています。その土地の名物か、インドカレーが好きでよく食べます。気分によっては、トンカツの日もありますけど(笑)。
あとは公園や神社、山に行って、自然の中をよく散策しています。おすすめは高尾山です。個人的には6号路が好きですね。山の中を小川に沿って歩くコースなので、気持ちがいいですよ。ぜひ行ってみてください。
メガネや補聴器を求める、真の理由や背景を汲み取ったご提案を
――業務の中で、プロとして意識されていることはありますか?
石田:お客様に対して聞こえやすいように、ゆっくりと丁寧にお話しするようにしています。あとは、お客様の本当の相談理由を感じ取れるように心がけていますね。
――本当の相談理由とは、どういうことでしょうか。
石田:例えば、補聴器が欲しいとお見えになったお客様によくお話を聞いてみると、「いつもテレビの音量を大きくし過ぎてご家族に注意されている」、メガネを探されている裏には、「寝る前の読書をもっと楽しみたいと思っている」など、実は背景には様々な理由があります。
そういうところまで深掘って伺うと、おすすめする商品も変わってきます。お客様が何を求められているのかをよく聞き、本当のご希望を読み取るように意識しています。
――確かに、背景やシーンによって最適なものは変わってきそうですね。
石田:そうですね。例えば、料理をする時に使うメガネと読書する時に使うメガネでは、焦点を合わせる距離も変わってきますから。
――これまでにお客様からいただいた中で、嬉しかった声はありますか?
石田:以前、補聴器を購入された70代のお客様が、「言葉が聞こえるようになって、第二の人生が始まった」「家族で旅行もしたいし、新しい趣味を見つけたい」と言ってくださったことがあります。
補聴器で聞こえるようになったことも嬉しかったのですが、「第二の人生が始まった」という前向きなお言葉がとても素敵だなと思いました。私も70代になった時に、そういう前向きな気持ちを持っていたいと感動したほどです。
――最後に、これからの仕事での目標とお客様へのメッセージをお聞かせください。
石田:メガネも補聴器もデメリットを解消するためだけに使うものではなくて、ご自身がより良い人生を楽しむためのものだとお伝えしたいです。そのためにも、もっと丁寧にお話を聞いて、お客様の思いをより深く感じ取っていけるようにしたいですね。
まずは、今のご自身の身体の状態を知ることが大事ですから、見え具合や聞こえ具合で気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。