−松屋の地域共創− 梅雨から夏へ。＜能作＞の取り組みとこれから。

年のひとときに訪れる、情緒豊かな梅雨の季節がまもなくやってきます。
街や人、大地を潤す雨の日に、上質な傘で気分よく過ごしてみるのはいかがでしょうか。

私たち松屋銀座では、半世紀以上もの長きに渡り開催している「GINZAの百傘会」（5月25日（水）よりスタート）に合わせ、富山県高岡市の＜能作＞とコラボレーション。美しい音色を奏でる風鈴と傘のインスタレーションが松屋銀座を彩ります。

能作の風鈴に添えられた短冊は、松屋銀座が今年のお正月に使用した徳島県の藍師・染師集団BUAISOUの藍染暖簾を再活用し、新たな息吹を吹き込みました。
本年2022年、お正月に展示したものの中から、「二〇二二」と染めた1枚を再利用しています。

現在の代表取締役社長である能作克治さんは能作の4代目。新聞社の報道カメラマンから一転、鋳物職人として研鑽を積み、代替わり後は優れた審美眼によるモダンデザインを続々と発表。伝統工芸の世界の門戸を一気に拡げ、躍進、急成長を遂げました。

2011年から松屋銀座でも直営ショップを展開。地域産業を活性化するという点において、先陣を切って活動を続けてこられた能作社長にお伺いしたいことはたくさん。松屋の地域共創プロジェクト、日本の伝統工芸界への想い、企業が担うべき地域への貢献についてなど、今回のコラボレーションにまつわる様々な視点からお話を伺いました。

能作の４代目代表取締役社長の能作克治さん。
自らデザインした製品で、能作躍進のきっかけを生み出しました。

松屋銀座7階能作ショップ。

− 富山県の高岡市を拠点に、地域活性の牽引役として活動されてきた能作と社長ご自身の変遷について、少しお話を聞かせてください。

モノづくりの基礎と応用を無我夢中で探求した職人としての数年間を経て、90年代から2000年初頭にかけ、それまでに温めてきた新しいアイデアの商品をたくさん発表しました。今回の展示で使用している風鈴もそのひとつで、発売当初から大ヒット商品となり、今ではすっかり能作の代表作です。私たち能作は鋳物の製造が礎であり、富山県の高岡市という地域があったからこそできた会社。まず地域への恩返しをしたい。そのために、企業として何ができるかを常に考え、これまで活動してきました。業績の向上に伴い新社屋を建設し、カフェの開設や工場見学・製作体験など様々なイベントを行なっています。この数年はコロナ禍ということもあり自粛していましたが、おかげさまで地元の人々や子供たち、大勢の方が集うコミュニティーのような場所になりました。チャリティーや子供食堂への支援なども積極的に行なっていますが、どれも企業としては当然のことと考えています。

− 能作として考える、日本の伝統工芸やモノづくり・文化のこれからは？

中川政七商店の中川さんを代表とする一般社団法人日本工芸産地協会を設立し、現在は20社ほどの伝統工芸を担う企業が参画しており、私も理事として活動を続けています。特にこの数年、コロナ禍の影響を受け全国の伝統工芸界は厳しい状況に置かれているのが実情です。各地域を牽引する我々のような企業が率先してモデルケースを共有し、工芸や産業同士を繋げることや、成功体験等のノウハウを伝達しながら、地域創生や産地の存続をかけ、更には将来的に日本が世界に誇る工芸大国となることを目標に、日々活動しています。

− 松屋の取り組みでも、まだ世に知られていない産地や手工芸に目を向け、装飾を通じて PRや地域の活性化に繋がる「地域共創」プロジェクトを発足させ活動をしています。

元々、東京に進出する際、松屋銀座に私たちの商品が置かれることが一つの目標でもありました。その念願が叶って早11年の取り組みになりますが、松屋銀座は能作にとっても非常に重要な位置付けであり、今回のお話を伺った際もすぐにできる限りのご協力をしたいと考えました。百貨店の取り組みとしても、デザインの松屋さんらしい大変素晴らしいことだと思っています。伝統工芸界は、まだまだ分業制が多く、我々もかつてそうだったようにあくまで一つのコマに過ぎないといった課題があります。しかし、このような取り組みが増えることで、多くの方の目に触れる機会が得られることは嬉しく思いますし、作り手としてもモノづくりをした後、エンドユーザーであるお客様の顔が直接見えるようになる。伝統工芸界にとって良い影響をもたらすことが多くあるのではないでしょうか。

錫リサイクルプロジェクトや工場が稼働する際の約30%の電力を賄うソーラーパネルの設置など、今ではサステナブルと呼ばれる取り組みも、企業にとって当たり前の責任として、予てから積極的に取り組んできた能作。日本の地域産業発展、SDGs（持続可能な開発目標）をいち早く見据えて実行してきたその背景には、伝統を守り真摯なモノづくりを続ける実直さと、変わることを恐れず、新たなアイデアを次々に実践する企業力ゆえ。富山の地から日本、そして海外へと、これからの伝統工芸界を牽引し続けていくという力強い熱量が感じられました。

今回のコラボレーションを通じ、また新たに知ることができた能作。松屋銀座との取り組みは、これからもまだまだ続いていきそうです。

優美なフォルムからなる鋳物の風鈴たちが、梅雨からやがて始まる夏へと誘ってくれるよう。「GINZAの百傘会」は5月25日（水）－31日（火）1階スペース・オブ・ギンザにて開催。期間後も、6月21日（火）まで1階婦人雑貨やイベントスペースにて傘の販売箇所を拡大して展開いたします。みなさまぜひこの機会にお立ち寄りください。

■ノベルティー情報　ご好評につき、終了いたしました。

風鈴の短冊にもなった＜BUAISOU＞の藍染短冊は、ノベルティーとして6月14日（火）までの期間中、7階＜能作＞または松屋オンラインストアにて風鈴をお買い上げの方に先着でプレゼントいたします。
※なくなり次第終了となります。

◆7階能作、松屋オンラインストア
※オンラインストアは6月28日（火）午後5時まで＜能作＞商品販売。

■＜BUAISOU＞松屋オリジナル風呂敷他販売中

徳島県上板町で原料となる藍の栽培をはじめ、蒅（すくも）造り、染色、製作まで藍染業を一貫して行う藍師・染師BUAISOU。松屋オリジナル風呂敷に加え、期間限定で＜BUAISOU＞の商品を多数ご用意しています。

6月28日（火）まで
◆7階デザインコレクション、松屋オンラインストア※オンラインストアは 6月28日（火）午後5時まで

■ノベルティー情報 ご好評につき、終了いたしました。

■＜BUAISOU＞松屋オリジナル風呂敷他 販売中

■ノベルティー情報　ご好評につき、終了いたしました。

■＜BUAISOU＞松屋オリジナル風呂敷他販売中