宮治さん
「農業をビジネスとして考えたとき、規模拡大もひとつの進化かもしれませんが方法はそれだけではないはずです。実際、みやじ豚はその方法を選びませんでした。ビジネスのおもしろさはいろんなところにある。次世代の後継者同士でそんなことを見つけていくような場所です」
――さまざまな影響力を持つ宮治さんですが、ご自身の大切な家業である『みやじ豚』に見いだしているおもしろみとはどんなことですか?
宮治さん
「いま、農場や生産元がひとつに限定されて世に出ている商品を、たとえば“シングルオリジンコーヒー”や“シングルオリジンオリーブオイル”などと呼びますね。安心・安全の象徴として浸透しつつある“シングルオリジン”。みやじ豚は宮治家で生産したものだけを指すから、“シングルオリジンポーク”ですね。このイメージをより強く発信していきたいです」
塗木さん
「丁寧に育てられた豚肉、そしてそこに込められた宮治さんの想いをたくさんのお客様にお届けするのは我々の役割です。若手販売員が宮治さんの言葉をそのまま発信できるくらい、つなぐべきものに対する理解を深めていきたいですね。松屋が新しい時代にいい循環をもたらす場所。そんなふうに頼りにしていただける存在を目指します」
どんなにいいものづくりも、素晴らしい伝統も、知ってもらうことが“つながっていく”ための第一歩。美味しさのなかには、私たちの安心・安全な食生活を支える生産者の想いも凝縮されています。そんな隠し味に気がつく人でいっぱいの未来に向けて、松屋は発信を続けていきます。