その他
食品

松セン5・パン娘のフランス旅!
−松屋銀座 開店100周年記念−
シャンパン造りに密着 vol.2

松屋宣伝担当クルーによる体当たり取材レポート企画『松セン5(マツセンファイブ)』。 今回はメンバーの1人、『パン娘』がなんと日本を飛び出し世界へ! 松屋銀座 開店100周年を記念する限定シャンパン造りに挑戦します。 ワインの基礎知識からプレミアムな限定シャンパン情報まで、全4回でお届けします。 Vol.1はこちらから

※画像はイメージを含みます。 ※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 ※車・バイクでご来店・お帰りの方、20歳未満の方へのアルコール提供は固くお断りします。

MATSUYA GINZA 100th ANNIVERSARY
MATSUYA GINZA 100th ANNIVERSARY COLLECTION

松屋銀座 開店100周年の特別なコレクションをご紹介。

詳しくはこちら
限定シャンパンの“ご実家”を訪問!
優雅で心地よい、最高の場所です

8月末のとある日、パン娘と和洋酒・ギフト担当バイヤーの関戸氏、そして愉快な仲間たちの一行は、広大な畑を訪れます。こちらがあの歴史あるシャンパーニュ・メゾン、パイパー・エドシック社の畑であり、松屋銀座 開店100周年限定シャンパンの素材が育つ場所!

 

シャンパーニュ地方には約300の村があり、Sacy(サシー)という名のこの村にはプルミエ・クリュ(一級畑)に格付けされた畑が広がります。

 

日差しの刺激と爽やかな空気が交差するこの日、一行を案内してくれたのはパイパー・エドシック社ブランドアンバサダーのドミニク氏。「例年ならすでに収穫が始まっている頃ですが、今年(2024年)は気候の影響で1ヵ月ほど遅れていますね」と話します。

 

「シャンパンって、もしかしてシャンパーニュ地方と関係ある!?」と、つぶやくパン娘。関戸氏は…、菩薩のような笑みを浮かべ「シャンパーニュ地方で造られたものだけが、シャンパンなんだよ…」とつぶやき返します。

『シャンパン』と呼べるのは、シャンパーニュ地方で栽培されたぶどうを使用すること以外にも畑に灌漑用のパイプを引かないこと、手で収穫することなど、多くの厳格なルールを守って造られたものだけ。

 

さて、畑のところどころにはその所有者を明記した石碑があり、もちろんパイパー・エドシック社のものも。

 

こちらで栽培されているのは、黒ぶどうのピノ・ノワール。世界中で人気の品種ですが、内陸側と海側とでは味わいがまるで違うそうです。「ここで育つピノ・ノワールは、エレガントさが特長。シャンパンの味と香りに重要なエッセンスとなるんですよ」と、ドミニク氏。

 

ちなみに、写真のぶどう樹は15歳。世界的には100歳を超えるぶどう樹も存在しますが、古木は凝縮感のあるぶどうを産み出す一方で収量が限られ、病害への耐性が下がるなどのリスクも。そこでパイパー・エドシック社では、20~30歳までのぶどうをベースにシャンパンを造っています。

 

土壌は、日本と違い白っぽさが目立ちます。この白さは石灰によるもので、石灰質の土壌は保水性が高く、良質のミネラルを豊富に含んでいるためぶどう栽培にうってつけなのだとか。パン娘は「赤茶色だったブルゴーニュの土と全然違う!」と、先日訪れた畑の土壌を思い返します。

 

ところどころに植えられたバラには、土壌のバクテリアや病害の状況をみる計測器のような役割が。ぶどう樹よりも環境の影響を受けやすいというバラの特性を活用した、古来の自然農法を続けるための知恵のひとつです。

※現在では病害を探知する方法が発達し、バラは伝統的に植えられているケースが多いようです。

 

「道を挟んだ向かい側の木々は、代表のダミアンと従業員160名みんなで植えたんですよ」と、ダミアン氏が教えてくれました。この木々も、自然農法にひと役買っています。美しい赤い実をつけるのは、シャンパーニュ地方ではおなじみのゲルダー・ローズ(和名:セイヨウカンボク)という木。

 

この実を目当てに虫が訪れると今度はその虫を目当てに鳥が集まり、結果的に天然の“ぶどうの虫除け”になるからです。

今、私たちが直面している“多様性への本質的な理解”や“自然との共存”などの問題について、パイパー・エドシック社はシャンパーニュ・メゾンという立場で様々な取り組みを行っています。

 

「2024年のぶどうは豊作で、状態もとてもいいですよ!」というドミニク氏の言葉にウキウキしながら、一行はプレスルームへ。畑から徒歩圏内にあり、収穫後はスピード勝負となる圧搾作業が迅速に行えます。収穫時はなんと1日にトラック50台が行き来するそう!

 

ぶどうの到着を今かと待つプレス機は、1度に4,000kgが入るサイズ。およそ4時間かけてゆっくりと圧搾され、とれる果汁量はキュヴェ(一番搾り)が2,050L、プルミエ・タイユ(2番搾り)が500L。「シャンパンに使用するのはプルミエ・タイユまでですが、3番搾りや搾りかすは化粧品などの素材として使われるんですよ」と、ドミニク氏。

 

パン娘は「シャンパンと同じ素材の化粧品、気になりますね♪」と目を輝かせています。

ここで搾られたフレッシュなぶどうジュースは、周囲の溝からパイプを通り下の階のタンクへと注がれます。

 

こちらが下の階につながるパイブ。

 

そしてこちらのタンクが果汁を受け止めますが、移動にかかる力は重力のみ。果汁へのストレスを最小限にすることも、フレッシュな味わいを保つ昔ながらの知恵です。

 

さらに向かい側に設置されたタンクでぶどうジュースは1日寝かされ、果肉や種などを沈殿・分離させます。タンクの素材はぶどうジュースの鮮度を保つため、酸素を通しにくく丈夫なコンクリートとタイルです。ちょっと内側を覗いてみましょう。

 

扉は人が1人ギリギリ通れそうなサイズで、内側にタイルがびっしり。パン娘はひと目見て「タンクの中がとってもキレイ!」と驚きます。そう、施設内のどこもかしこも端正という表現がしっくりくるような清潔感と整然さ。さすが最高峰のシャンパンが生まれ育つ場所は、すべてが美しく整えられています。

収穫が始まるとこの施設は厳しく管理され、酸や糖度をチェックしてOKの出たものだけがワイナリーへと運ばれます。

 

ワイナリーがあるのは、パイパー・エドシック本社の敷地内。たくさんの緑の中に佇む、こちらのモダンな建物が本社です。

 

パイパー・エドシック社のシャンパンは“フレッシュ・フルーティー”が特長。そのため木樽ではなくステンレス樽を用い、200ほどのタンクが並んでいます。タンクには収穫したエリアごとの果汁がおさめられ、それぞれのキャラクターを生かしつつ約10日かけてアルコール発酵=ワインへと成長。

 

「大きい!!」と、パン娘は初めて目にする巨大なタンクにびっくり。ちなみにこのタンクひとつで、通常のワインボトル50万本分だとか。

 

出来上がったベースワインは、約6ヵ月の熟成期間に入ります。この間、シェフ・ド・カーヴ(最高醸造責任者)は味や香りをチェックし「今年のワインの方向性」を決め、リザーブワイン(品質安定化のためにメゾンが保管しているヴィンテージのワイン)をブレンドしたり、シャンパンの命ともいえる泡を産み出す2次発酵のための酵母と糖を加えたり、必要な工程を経たらボトリング。地下のワインセラーへと運ばれます。

 

温度・湿度がそれぞれ10℃・90%に保たれた、シャンパンにとって最高の環境で瓶熟成が行われます。シャンパンの法定瓶熟期間は15カ月以上ですが、パイパー・エドシックでは最低でも24カ月は行います。

 

2次発酵が進んでくると、ボトル内にはシャンパンの泡となる二酸化炭素、そして働き終わった酵母の残骸=澱があらわれます。澱はシャンパンの味わいに寄与する大切な素材ですが、完成間近のタイミングで取り除かれます。

 

その工程がデゴルジュマン(澱抜き)。その後はドサージュ(加糖)という重要な工程の後、晴れてシャンパンとなります。

※こちらがデコルジュマンの様子。ただし現在では機械化が進み、このような手作業はほとんどありません。

 

今回のパン娘と関戸氏のミッションは、このドサージュを完璧に行うこと(その詳細はvol.3にてお届けします)。2人は迫りくるミッション遂行の時を思い浮かべ、うっすら緊張感をまといながら広大なセラー内を進みます。

 

道中、サイズ違いのシャンパンボトルがずらりと並ぶ一角を発見。実はこのボトルサイズ、正確には15種類存在するそうです。もっとも小さい『カール』は200ml、もっとも大きい『メルキセデック』は30,000mlでレギュラーサイズ(750ml)40本分という巨大さ。

 

関戸氏が抱えているのはレギュラーサイズ20本分の『ナビュコドノゾール』。シャンパンをこよなく愛するからこその笑みが…、止まりません。

 

パン娘が座っているのは、パイパー・エドシックのテーマカラーともなる真っ赤なソファ。1785年に創業したシャンパーニュ・メゾンのパイパー・エドシック社は、これまで300以上の映画に登場しています。過去にはレッドカーペットのスポンサーも務め、多くのセレブに愛され続けていることを物語るゴージャスなコーナーです。

 

パイパー・エドシックに浸る濃密な時間を過ごし、心が満たされた一行ですが、次はテイスティングという至福の扉を開けます。ドミニク氏によってセレクトされた、パイパー・エドシックらしさを体感できる5本。その魅力を真剣に感じながらも、徐々に顔に赤みが差していくパン娘…、の隣で関戸氏は、お酒ではなく喜びで顔が緩みっぱなし。

 

「1本目はムニエとピノ・ノワールを熟成させたタイプ。…うん、確かに桃のような香りで軽すぎない…。2本目は、…なんて美しいピンク色! このヴィヴィッドピンクのロゼがパイパー・エドシックの特長なんですね。へぇ、シャンパンだけが赤ワインを混ぜて造ることを許されているんですか…。ストロベリーのいい香りが…」

緊張しながらも、さすが仕事人のパン娘。ドミニク氏のレクチャーや自身の感想をしっかりと書き留めていました。

 

しかも、お気に入りの1本を見つけてご満悦♪ パン娘が気に入ったのは、ピノ・ノワールとムニエで造られたブラン・ド・ノワール(黒ぶどうから造られる白いワインの意)というスタイルのシャンパンです。パイパー・エドシックの醸造責任者が何年も前から実現したいと思い描いていたシャンパンだそうで、「爽やかさだけでなくフルーティーで、そのバランスがとてもいいと思うんです」と、どこかプロっぽさが漂う発言も。

 

そんなパン娘をはじめとする一行、実はランチ時にもシャンパンをたしなんで(?)いたのです。ちなみに、ランチをいただいたのはぶどう畑目前という最高のロケーションのレストラン。

 

「こんな贅沢な仕事があっていいのか…」なんてため息混じりの心の声まで、しっかりとメモをする真面目なパン娘。

 

「アルコールは苦手」なんて話していたパン娘。確かに少し酔いが回ってはいそうですが、すべてのテイスティングをきっちりこなすあたり、本当は酒豪!?…なのかもしれない…、と思わずにはいられない一行でした。

さて次回は、いよいよ松屋銀座 開店100周年を記念する限定シャンパン造りに挑戦します!

お楽しみに♪

 

シェアする
TOPへ戻る ポイントWEBサービス
ログイン