その他
その他
ファッションライターLulu.の「美しいは嬉しい」vol.13
ファッションって知的好奇心を満たし喜びをもたらしてくれるんです。内面のいちばん外側がファッション。
(本記事でご紹介するアイテムは、松屋でお取り扱いのないものもあります。)
プロフィール
20年ぶり!リエディション・コレクション「ルイ・ヴィトン × 村上隆」
こんにちは。
あれから20年。ルイ・ヴィトンと日本人アーティスト 村上隆によるリエディション・コレクション「ルイ・ヴィトン × 村上隆」が2025年1月にお目見えしました。チェリーブロッサム・シリーズも春に発売予定。
当時の熱狂を振り返りながら綴っていきたいと思います。

日本の紋がインスピレーション源のひとつであるモノグラム、市松模様に着想を得たダミエ。
19世紀末より日本と強い関係を築いてきたメゾンであるルイ・ヴィトン。
〈白洲次郎所有のモノグラムキャンバスの「ビステン」と「スティーマー・バッグ」〉

そんなメゾンが2003年春夏に協働したのが、1993年に東京藝術大学日本画専攻で初の博士になった村上隆。
浮世絵から続くマンガやアニメといった二次元世界をスーパーフラットと表現し、日本画に新たな道筋を与えた人物、と私は捉えています。
〈2003年のスカーフと2025年の復刻バッグ〉

シックなモノグラムに桜が咲き、カラフルなマルチカラー・モノグラムが登場。2001年のグラフィティの衝撃が冷めやらぬ2003年、マーク・ジェイコブスが新たな興奮をもたらしてくれました。
ノベルティでいただいた風船。この2003年の目玉ちゃん付き「Eye Love Monogram」シリーズには93色も使用されていました。

2003年9月、NYのロックフェラーセンターに現れた7mのとんがり君も忘れられない。千手観音のようなとんがり君、曼荼羅のような蓮華。自由を内包した大好きな作品『二重螺旋逆転』

この作品は病を抱えている子どもたちへ「君が生まれてきたことは100%祝福されているんだ!」というメッセージが込められています。

うちのとんがり君はいつもペリエを飲んでいる。

トランクの製造から始まったルイ・ヴィトン。メゾンの真髄は「旅」。
アニメーション「SUPERFLAT MONOGRAM」は、「不思議の国のアリス」をLVの世界で表現したもの。主人公のアヤちゃんは中央区に住む小学生。LVパンダの体内へ吸い込まれた彼女はスフィアという球体空間で様々な体験をします。LVパンダの体内は異世界へのポータル。
〈2003年のDVD〉

各店舗のディスプレイを見るもの楽しみでした。
松屋銀座店


水の柱をイメージした銀座並木通り店にはお花が咲き誇っていました。

ドーバー ストリート マーケット ギンザのパンダはエレファントスペースでsoooo happy! でしたし、

DSMG正面のパンダはヘビと一緒のスペシャルバージョンでした。

16歳のルイ・ヴィトンが徒歩でパリに到着し、マレシャル氏のもとで見習いを始めたのは1837年のこと。当時の主要な交通手段は馬車や船、汽車であり、荷物は手荒く扱われていた時代でした。ルイ・ヴィトンはほどなく、パリの工房で重宝される職人となり、トランクを顧客の要望に沿って特別注文で作る職人的な製造業者としての経歴をスタートします。
〈板垣退助が渡欧した際に購入した「レイエ・キャンバスのスティーマー・トランク」〉 2007

2007年、LAのMOCA(The Museum of Contemporary Art)で開催された村上さんの展示に行った時のパンフレットや、

2003年に発売された食玩「村上隆のSUPERFLAT MUSEUM」も引っ張り出してきて懐かしんだ。
クリスティーズで38万ドルを付けたような村上隆の作品が、350円で手に入るという最高の遊び。アートとは何か、何が物の価値を決めているのか。
海洋堂プロデュースのこの食玩は、ロックフェラーセンターで関係者に配られた「NYエディション」、六本木ヒルズと森美術館のオープンを記念した「六本木エディション」、「コンビニエディション」などが登場し、皆を大興奮させました。

2025年リエディション・コレクション「ルイ・ヴィトン × 村上隆」。
「20年前はまだ子どもだった君たちへ」と、この物価高騰の時代、世界的アーティストとのコラボレーションとしては抑えた価格設定になっていると思います。
チェリーブロッサム・シリーズが春に発売予定。
〈2003年 モノグラム・チェリーブロッサム「パピヨン」〉

スーパーフラットパンダの体内へ飛び込み、それぞれの異世界への「旅」をお楽しみください。

バックナンバーはこちら