その他
食品

冷凍グルメで出合う名店の味。
その魅力を現場からさらに深掘り!~銀座アスター編~

「松屋銀座」地下2階に冷凍食品コーナーがあります。 モダンな雰囲気のコーナーにずらりと並ぶ商品のなかで、ひときわ異彩を放っているのが「ギンザ フローズン グルメ」。 名店のメニューをそのままパックして急速冷凍しているから、お店の味そのままをおうちで楽しめます。 忙しい毎日には、簡便性に優れたおかず用の冷凍食品はありがたい存在ですが、「ギンザ フローズン グルメ」は日々の食卓に華やぎと彩りを運んでくれるとびきりの味揃い。 ひとつの料理に込められたお店のこだわりはさまざまです。 この連載で、各店と商品のストーリーをお届けします。 その想いを知れば、さらにおいしさが広がるはず。 特別な日に、特別な味をおうちで。 ギフトにも最適ですから、幸せのおすそわけもどうぞ。

今回ご紹介するお店と商品は
「銀座アスター」の「海老のチリソース煮」
「銀座アスター」とは  東京を中心に33店舗を展開する中国料理の名店「銀座アスター」。  創業者・矢谷彦七氏は、1926(昭和元)年、日本初のアメリカンスタイルの中華料理店として「ASTER」を東京・銀座に開店。当時、米国で大流行していた中華料理「チャプスイ※」を主役としたレストランでした。その後、本格派中華料理店に方向転換。名物の「アスター麺」は1958(昭和33)年に誕生し、今でも愛されているシグネチャーディッシュです。また、百貨店の食品売り場でテイクアウトできるシュウマイや肉まんなども大人気になりました。  60年代から香港などの名店を視察、現地での研修などを積極的に行い、銀座の本店は2008年、世界中国烹飪連合会により「国際中餐名店」に認定されました。  現在、「中国食文化を日本に伝える」ことを大切に、本場の味をしっかり研究し理解した上で、日本人の舌に合うようレシピを改良。それらの料理を高級中華からデパートのお惣菜まで幅広く展開していることが、全国で愛され続けている理由でしょう。
 昨年春、東京・大田区の工場を建て替え、超高速凍結機などの最新機器を導入し、「匠工房」として始動させました。「ギンザ フローズン グルメ」の全商品はここで製造されています。  今回は、レストランの人気メニュー「海老のチリソース煮」の冷凍食品化を担当した、営業推進グループのグループマネージャー・岸井功さんにお話をお伺いします。 ※米国発祥の中華料理。さまざまな食材を取り合わせたごった煮のような料理。中国には存在しない味。
――日本人に馴染みのある中華料理「海老のチリソース煮」(通称「海老チリ」)の冷凍食品化は初めての試みだったとお聞きしました。 岸井さん はい。デパ地下のデリカショップでお惣菜を販売してきましたが、冷凍食品を製造すること自体が会社として初めてでした。 ――「ギンザ フローズン グルメ」のシリーズに参入してくださったことがきっかけだったのでしょうか。 岸井さん そうなんです。コロナ禍でレストランが営業できない時期、レストランでお客さまを待つのではなく、我々がお客さまに近づいていこうと考えました。それには賞味期間が短い惣菜より冷凍食品がよいのではと、メニューの冷凍食品化を模索していたところ、「松屋銀座」さんから「ギンザ フローズン グルメ」のお話を聞き、我が社も参加させていただくことになりました。 ――登場したばかりの、急速凍結機「ゼロカラ」も導入されました。これは冷食業界にとって画期的な機器でした。 岸井さん マイナス35℃で瞬時に凍結でき、商品の劣化が最小限に抑えられます。冷凍食品化の強い味方となりました。
――わあ、あのおいしい海老チリが瞬時に冷凍されるのですね! 岸井さん はい。ただ、レストランの味をそのまま冷凍するためには工夫が必要でした。 ――レストランの厨房での作り方とは異なるのですか? 岸井さん いや、ほぼ同じ調味料、工程なのですが、細かい部分で調整をしています。まずはご覧に入れましょう。 ――ぜひ、お願いします! 岸井さん これは本来の作り方です。海老は片栗粉をまぶし、140〜150℃の大豆の白絞油で油通しします。 ――油通しするのはなぜなんでしょう。 岸井さん ここで6割ほど火入れをしておくんです。この後に中華鍋でソースをさっとからめますが、そこで完全に火が通り、口当たりをぷりぷりに仕上げます。
――プロならではの技ですね。 岸井さん 油通しした鍋に油を足し、生姜、ニンニク、ネギ、赤唐辛子などの薬味を入れて香りを立たせます。鉄鍋がまだ熱いので、一旦火を止めて余熱でじっくり薬味を炒めて香りを出します。ここでじっくり火入れしないと生姜やニンニクが生臭くなってしまいます。 ――薬味の香りが鍋から立ち昇ってきました!  岸井さん オリジナルの醬(ジャン)を加えます。この醬がアスターの味です。 ――ふわりとトマトや唐辛子の香りがします。醬には何が入っているのですか。
岸井さん オリジナルの豆板醤、トマトペースト、スイートチリソースなどを合わせたものです。 ――この配合がおいしさの秘密なのでしょうか。 岸井さん もちろんそうなのですが、この後の調理の仕方によって味が格段に違ってきます。独特の旨みと辛みは調理過程で生まれます。 ――なるほど! 料理人さんの腕で醬の味を際立たせていくんですね。 岸井さん ガンシャオ(乾焼)と呼ばれる調理法を使います。炒めた薬味に醬を加え、加熱しながら水分を飛ばし、海老を加えて味をからめながら、煮汁を煮詰めて仕上げます。ここで水分量を調節するのです。加熱し過ぎると海老がパサパサになりますし、足りないと水っぽいソースになってしまう。 ――どれくらいの濃度のソースに仕上げるかですね! 紹興酒を振り入れたら、さらに甘やかな香りが立ちました。 岸井さん レストランでお出しする料理と冷凍食品は、素材と調味料はほぼ同じですが、調理段階での微妙な火加減や焼き時間の違いで水分量を調整しています。真空パックの中で海老がソースの水分を吸ってしまうので、その分の水分を残すようにするんです。 ――ここの段階でレストランと冷凍食品では水分量を変えているのですね。
岸井さん ソースがきれいなオレンジ色になったら出来上がりです。冷凍食品化で目指したのは、袋を開けたとき、レストランの料理と同じ香りを感じてもらうことでした。 ――仕上がりの色も赤い色から明るいオレンジに!チリソースのさわやかな香りが漂ってきます。海老がプリっとして、トマトの旨みと酸味、さわやかな辛み、薬味類がしっかりからんでおいしい!海老の油通しから仕上がりまでたった3分ほど。あっという間ですね。
岸井さん 火入れには長年の経験が必要になります。中華料理は地方ごとに膨大なレシピの累積があり、技術の習得にも時間がかかるんです。 ――技術の継承には時間がかかるのですね。レストランでの現場経験もあり、冷凍食品の開発にも携わってこられた岸井さんにお話をお伺いして、「海老のチリソース煮」のおいしさの秘密がよくわかりました。ありがとうございました。 中国名菜 銀座アスター

https://www.ginza-aster.co.jp/

※調理後の写真はイメージを含みます。実際の商品とは異なる場合がございます。 ※数に限りがございます。売り切れの際はご容赦ください。 ※商品につきましては、地下2階ギンザ フローズン グルメ担当までお問い合わせください。

<銀座アスター>海老のチリソース

内容量:250g (賞味期限 製造日より150日/冷凍)

2,139円(税込)

地下2階ギンザ フローズン グルメ

 

実食レポート

 冷凍庫から出して袋ごと沸騰したお湯に入れ、再沸騰後10分程度温めるだけ。器に移せば、トマトの甘さとさわやかな辛みが渾然一体となって食欲が刺激されます。まずは香りを楽しましょう。海老はしっとり。口のなかでまず、トマトの甘みがふわりと漂い、後を追うようにしっかりとした辛みが感じられ、さわやかな辛みの余韻が長い。華やかで優しい大人の味わいです。

 海老をアテに紹興酒で一杯。ソースがたっぷりあるので、白ご飯にソースをかけて締めにどうぞ。

シェアする
TOPへ戻る ポイントWEBサービス
ログイン