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ソムリエ郁子の365日ワインの旅 第6回 フランス・ブルゴーニュ篇

ワインの法律、歴史、造り手など、たくさんの知識は ワインの楽しみ方を広げますが、詳しくなくても問題なし。 ワインは、美味しい。 美味しいものは、人をしあわせにする。 このコラムでは、松屋銀座のワイン売場「グルマルシェ ヴァン」にて 日々、ワインの魅力をお客様にお伝えしつづける「ソムリエ郁子」が、 気軽に楽しめるワインのお話を、生産国ごとにお届けしていきます。
プロフィール
ソムリエ郁子(そむりえ いくこ)
ソムリエの資格を持つ、松屋銀座の和洋酒マネージャー。お酒を飲むと、グラス1杯でトリップできる能力あり。好きな食べ物はりんご。シードルやカルバドスも大好き。最近ハマっているのは、娘と地元の銭湯に行くこと。

世界のワインの頂点に君臨する、ブルゴーニュワイン。

今回はフランス・ブルゴーニュのワインを特集いたします。

ブルゴーニュは、世界中のワインファンから世界一のワインとして崇められる「ロマネ・コンティ」をはじめ、偉大なワインが数多く生産されている地域であり、ワイン造りの歴史は、諸説あるものの、2,000年にもおよぶと言われています。

その長い歴史の中で、世界史に名を刻んだ偉人達もブルゴーニュワインを楽しんでいたという記録も残っています。

 

ブルゴーニュワインについては、なかなか語ることが多くなってしまうので、ポイントを3つに絞ってお伝えしたいと思います。

 

①フランスワインは、ブルゴーニュとボルドーが2大産地。

②ボルドーではブドウをブレンドしてワインを造るが、ブルゴーニュは単一品種で造るのが主流。 

③ブルゴーニュワインのボトルは太く、ボルドーワインは細い。

 

まず、特にワイン新興国では、フランスのワインに対する考え方や法律などを参考にしてワイン造りを行なっていますが、ブルゴーニュとボルドーのことが分かれば、大体のワインについて理解できます。

 

 

次に、ブルゴーニュではテロワール※という概念を最も大切にしているので、ワインを造る際には、地域ごとに決められたブドウ(主に赤はピノ・ノワール、白はシャルドネ)を使います。

 

※テロワール・・・土壌をはじめとする、ブドウ畑を取り巻くすべての自然環境要因のこと。

 

古来よりブドウを栽培していたブルゴーニュ地方は、その昔、キリスト教の、当時主流だった派手な生活を好む宗派とは一線を画したシトー派の僧侶達が、「神とともに自給自足の質素な生活をするのに最適な土地」として、移住してきたことから発展しました。

 

そんな背景があるため、ブルゴーニュでは、神様に対する信仰心から、「神によって選ばれた地域で、厳選されたブドウのみを使う」という信念のもと、単一品種のブドウだけでワインを造り続けているのです。

 

そして、ブルゴーニュのワインは、澱がたまりにくい太めのボトルで造られ、ボルドーのワインと比べて、優しい味わいに仕上げられているというのも大きな特徴です。

ソムリエ郁子×〈ルイ・ジャド〉社長 トマ・セテー氏 スペシャル対談
「ブルゴーニュのスピリットが息づくワインを造り続ける」

今回郁子は、ブルゴーニュのトップドメーヌ※の一つである〈ルイ・ジャド〉社の社長トマ・セテーさんとお会いすることが叶い、都内のアルザス料理店〈オーベルジュ・ド・リル トーキョー〉にて、色々とお話を伺ってまいりました。

 

※ドメーヌ・・・ブドウの栽培から瓶詰めまで行うワイン生産者。一つの畑を数十人で保有する場合もある。生産量が少ないのが特徴。

 

 

ソムリエ郁子:この度はお会いできて誠に光栄です。〈ルイ・ジャド〉さんといえば、テロワールを大切にしている地域・ブルゴーニュに、200ha以上の自社畑を保有する有数のドメーヌであり、ネゴシアン※としても超一流でいらっしゃって。松屋では、そんな〈ルイ・ジャド〉社のワインを以前から定番品として取り扱わせていただき、これまでに非常に多くのお客様にご提案しております。銀座の地で、長きにわたり信頼を得ているブランドの一つなのですよね。

 

※ネゴシアン・・・畑を所有せずにブドウを買い付け、醸造から瓶詰めまでを行い、販売する業者。

 

トマ・セテーさん:ありがとうございます。私自身も日本に対して特別な思いがあるので、松屋銀座のお客様からご好評いただいていると伺い光栄に思います。

 

ソムリエ郁子:日本に対しての特別な思い、と言いますと・・・?

 

トマ・セテーさん:まず日本は、日々の食卓が、多種多様かつ大変高いレベルで彩られていますよね。和食=寿司というように考える方もおられますが、現代の日本人の方が実際に普段召し上がっているのは、お寿司ばかりではありません。中華や洋食など、それ以外の食事のバリエーションも豊富で、ほかの国から入ってきた料理を日本独自の解釈でアレンジしておられる。〈ルイ・ジャド〉社では、グランヴァンからデイリーワインまで生産しており、多様性に満ちた日本のすべての食卓にマッチするワインをご用意していますが、そんな中で、日本の多くの方々が、我々のブルゴーニュのスピリットを心から理解し、楽しんでくださっているということが、私は非常に嬉しいのです。

 

ソムリエ郁子:日本の食文化について大変よくご理解いただいており、私もとても嬉しく思います。ブルゴーニュのスピリットというのは、「テロワールを大切にしてワイン造りを行う」という、この地域ならではの考え方・精神のことを指していらっしゃる?

 

トマ・セテーさん:そうですね。我々はブルゴーニュに特化したドメーヌとして、1859年の創業以来、この地域内の様々な銘醸地に所有する200ha以上の自社畑で、「ブルゴーニュの地でワイン造りを行う」という偉大なスピリットを継承し続けています。そんな我々の姿勢や取り組みを、日本の方々が深く理解してくださっていることに、とても感謝しています。

 

 

すべてのワインに、情熱とブルゴーニュの誇りを込めて。

ソムリエ郁子:〈ルイ・ジャド〉さんのワインの素晴らしい点を一言で言い表すならば、「親しみやすさと上品さが共存しているところ」でしょうか。ブルゴーニュには、その長い歴史から、他の追随を許さないドメーヌが数多くあり、生産者や醸造家含め、敷居が高かったり、また孤高のワインというようなものもあったりする中で、〈ルイ・ジャド〉社のワインは全般的に非常にフレンドリーと言いますか。

 

トマ・セテーさん:ありがとうございます。

 

ソムリエ郁子:また、ヴィンテージによって味わいに極端な差があるわけでなく、毎年一定以上の風味が保たれた、上品かつ確かな品質のワインを生産されていて。「いつの年のものでも、いつも美味しくて、安心」というのが魅力なんじゃないかなと。松屋銀座では、ワインをご進物になさるお客様が多いのですが、ご自分用であれば、多少の見当違いは、まあしょうがないかとなっても、大切な方への贈り物にはやはり間違いのないワインを選びたいですよね。そんな時に安心しておすすめできるのが〈ルイ・ジャド〉社のワインなのです。

 

トマ・セテーさん:どうもありがとうございます。

 

ソムリエ郁子:〈ルイ・ジャド〉社は、非常に多くの種類のワインを生産しておられますが、トマさんが日本の〈ルイ・ジャド〉ファンの方々におすすめしたい1本はありますか?

 

トマ・セテーさん:大変難しい質問ですね。こちらに対する答えは「ない」というのが私の考えです。理由を申し上げましょう。人は皆、毎日コンディションが異なり、気分や気候も日々異なります。さらには、日本には四季があります。ですから、「気分に合わせてご自分のお好きな1本を選ぶ」というのが、私のおすすめです。

 

ソムリエ郁子:なるほど!

 

トマ・セテーさん:毎日グランヴァンを飲みたいというわけではなく、カジュアルに楽しみたい日もあります。我々はブルゴーニュのスピリットを皆様にお伝えすることを最も大事にしていますが、〈ルイ・ジャド〉のワインは、今日のようにアルザス料理のお店で気軽に味わっていただくこともできます。ブルゴーニュのワインを、最高級のフレンチのコースとともに堪能するということが唯一ではありません。幸い我々は多種多様なワインを生産しておりますので、ここ日本で、毎日〈ルイ・ジャド〉のワインを楽しんでいただくこともできます(笑)

 

ソムリエ郁子:たくさんの中から、その日の気分でワインを選ぶ。毎日が楽しくなりそうですね。また、グランヴァンだけではなく、すべてのワインにそれぞれの良さがあるという、トマさんのワインに対する思いがとてもよく伝わってまいりました。

 

トマ・セテーさん:それはよかったです。

 

ソムリエ郁子:日本の〈ルイ・ジャド〉ファンの方々に、何かお伝えになりたいことはありますか?

 

トマ・セテーさん:〈ルイ・ジャド〉では、幅広いレンジのワインをご用意しておりますので、食事とのペアリングはあまり難しいことを考えず楽しんでいただくことをおすすめします。ブルゴーニュの中でも、我々は特にたくさんのワインを造っていますが、希少なグランヴァン、そして数多く造っているデイリーワインのそれぞれに優劣はございません。我々〈ルイ・ジャド〉社は、すべてのワイン、1本1本に情熱を持ち、毎日造り続けています。

 

ソムリエ郁子:〈ルイ・ジャド〉社では、すべてのワインのラベルに、「ワインの神・バッカス」のイラストが描かれていますよね。これはまさに〈ルイ・ジャド〉社が創立当初より、グラン・クリュからACブルゴーニュに至るまで、すべてのアペラシオン※に対して同等の価値を置いてワイン造りを行われてきたことの証なのですね。

 

アペラシオン・・・フランスの法律A.O.Cに基づいたワインの原産地の呼称。産地ごとに設けられた厳しい品質基準を満たすと名乗ることができるが、ブルゴーニュでは特級のグラン・クリュを筆頭に、全部で4つの階級に分類される。

 

 

トマ・セテーさん:おっしゃる通りです。さらに、我々はブルゴーニュの偉大な歴史を次世代に継承するために、環境保全にも大変力を入れています。これからも、ボトルやコルク、ラベルといったお客様の目に直接触れるもの以外にも、畑や樽、醸造設備などのすべてにおいて、環境に配慮した考えのもと、サステナブルなワイン造りを推し進めていきたいと思っています。

 

ソムリエ郁子:今回の対談を通じて、トマさんのワインに対する熱い思いや考えがよく分かりました。私も店頭にて、お一人でも多くのお客様に今日のことをお話しし、〈ルイ・ジャド〉社のワインの魅力を、日本の皆様に伝えてまいります。

 

トマ・セテーさん:これからますます進化していく〈ルイ・ジャド〉を、ぜひ我々のワインを飲みながら(笑)、楽しみにしていただけたらと思います。

 

ソムリエ郁子:今日はどうもありがとうございました!

 

対談を振り返って
〜松屋と〈ルイ・ジャド〉社の共通点を考える〜

〈ルイ・ジャド〉社の、ブルゴーニュの偉大な歴史を継承しておられながら、新しい試みにも果敢に挑戦されている点がまず、とても素晴らしいと感じました。

そして、我々日本人のことや日本の食文化にも精通され、また、ブルゴーニュの地で世界のトップドメーヌといえる地位を築かれながら、「すべてのワインに優劣はなく、美味しいと思う気持ちが最も大切」と語られるトマ・セテーさんのお人柄に触れ、ますます〈ルイ・ジャド〉ファンになりました。

 

百貨店としての松屋と〈ルイ・ジャド〉社にも、共通点がありそうです。

〈ルイ・ジャド〉社では多彩なワインを生産し、お客様のその時々の気分に合ったものをご提供されていますが、松屋で働くソムリエ郁子も、お客様がいつ来店されても必ず美味しいワインをおすすめできるよう、日々店頭に立ち続けています。

ご来店の動機は皆様まちまちで、ご自分用の今晩の1本から、ご家庭で毎日飲むための12本一挙まとめ買い、はたまた大切な方へのご進物、カジュアルなプレゼントまで、本当に様々なご要望があります。

これらのリクエストに優劣はなく、また、お客様お一人おひとりのお気持ちに寄り添うのが郁子をはじめワイン売場「グルマルシェ ヴァン」のクルーの役目であるため、そのすべてに同等の熱意でお答えできるよう努める毎日です。

 

なかなか銀座に足をお運びいただけないという方には、365日お好きな時に、世界各国のワインのご購入が可能なオンラインストア、「365日ワインの旅」もご用意しています。

 

この秋は、気の赴くままに、フランス・ブルゴーニュを代表する〈ルイ・ジャド〉のワインを楽しんでみませんか?

 

ソムリエ郁子イチオシのブルゴーニュワイン
ブルゴーニュワインの王道、バランスの取れた辛口の白。

〈ルイ・ジャド〉

ブルゴーニュ・シャルドネ2022(白/750ml) 4,180円

 

ブドウ品種:シャルドネ

 

白ワインの入門編にもふさわしく、また〈ルイ・ジャド〉の世界感が分かる、シャルドネ100%の白ワイン。ステンレスタンク熟成と樽熟成のバランスがよく取れた辛口で、お料理を選びません。まさに日本の普段の家庭料理に合わせたい1本です。柑橘系(レモン、ライム)の香りが感じられ、余韻に心地よい苦みがあります。

穏やかなタンニンと気品に満ちた、これぞブルゴーニュの赤。

〈ルイ・ジャド〉

ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2022(赤/750ml) 4,180円

 

ブドウ品種:ピノ・ノワール

 

こちらは赤の入門編。ピノ・ノワールが100%。ラズベリーやほのかなスパイスの香りがあり、味わいは穏やかでバランスが取れています。豚肉を軽く焼いたお料理などと好相性ですが、赤身のお刺身にも合います。優しいタンニンを持ちなめらかな口当たりで、気品があります。

アジア料理にもぴったり、果実味溢れる辛口ロゼ。

〈ルイ・ジャド〉

ロゼ・ド・マルサネ 2022(ロゼ/750ml) 5,280円

 

ブドウ品種:ピノ・ノワール

 

ロゼワインはアジア料理に合わせやすいという、トマ・セテーさんのお墨付き。赤い果実の香りがふんわりと広がり、ボディもあります。まろやかな辛口。和食はもちろん、中華の点心やタイなどのスパイスを使ったアジア料理にも合う万能ワイン。ロゼはとても優秀なので、皆様にもっと楽しんでいただきたいと思うソムリエ郁子です。

バックナンバー

ソムリエ郁子とのワインの旅(フランス篇)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(イタリア篇)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(日本篇)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(チリ篇)の思い出はこちらから。

ソムリエ郁子とのワインの旅(アメリカ篇)の思い出はこちらから。

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※車・バイクでご来店・お帰りの方、20歳未満の方へのアルコール提供は固くお断りします。

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