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紳士

日本のものづくりを、丁寧に、皆様のもとへ。
「松屋銀座×クラフトマン(職人)」の、これまでと、これから。

「クラフトマン(職人)」が手がける製品や「日本のものづくり」の魅力を、長きに渡り、こだわりを持ってご紹介してきた松屋銀座。この春、5階紳士雑貨レザークラフトマン売場の担当となった新任バイヤー・巖谷が、レザー職人、アクセサリー職人との対談を交えつつ、松屋銀座とクラフトマン(職人)との取り組みの、これまでと、これからについて、たっぷりお伝えします。


巖谷:日本の文化や質の高いものをお客様にご紹介することが百貨店の命題であると同時に、銀座という土地には、革小物から衣料品にいたるまで、職人が仕立てたものをお届けするという文化が根強くあります。そんな背景のもと、まだ広くは知られていないけれど確かな技術を持つ日本の職人を発掘し、彼らのものづくりを発信し続けることで、革小物などの伝統技術の継承の応援をしていきたい。ひいては、この活動を通して、人々の心がもっと豊かになれる社会を作り上げていきたい。そんな思いで、松屋銀座では長年、クラフトマン(職人)との取り組みを行ってきました。

その象徴のひとつが、5階紳士雑貨売場に常設されている革小物専門のレザークラフトマン売場。2015年に5階紳士フロアをリニューアルするタイミングで、「日本の職人によって作られたものの良さを新たに表現していくにあたり、お客様と職人が対面できる売場があったらよいのではないか」ということで、ほかの商業施設に先駆けて作られました。紳士フロアではありますが、女性のお客様からも大変ご好評いただいています。

また、年に数回開催される期間限定のポップアップイベントや、1階スペース・オブ・ギンザで開催してきた催事「レザークラフトマンワールド」でも、お客様と職人が対面し、直接会話をしながら、日本のものづくりに触れていただける、ということを大切にしてきました。松屋銀座には、ものの本質的な良さを追求されるお客様が多くいらっしゃる中で、我々バイヤーも皆様のお眼鏡にかなうような商品をお届けできるよう、日々励んでいます。

今回は、そんな松屋銀座とクラフトマン(職人)との取り組みについてより深くお伝えするため、2組の職人との対談をお届けします。黎明期からのお付き合いの、〈READY OR ORDER〉店主でレザー職人・井戸崇史さんと、「レザークラフトマンワールド」改め「クラフトマンワールド」として新たにスタートする催事に初出店いただく、〈IRONO〉のオーナーでアクセサリー職人・宮田彩乃さん。それぞれの観点からのお話を、どうぞお楽しみください。

バイヤー・巖谷×クラフトマン スペシャル対談①
〈READY OR ORDER〉店主/レザー職人 井戸崇史さん


巖谷:松屋のクラフトマンとの取り組みの生きる歴史であるブランド、〈READY OR ORDER〉について、ご紹介いただけますか?

井戸さん:〈READY OR ORDER〉は、財布を中心とした革小物を展開するブランドで、名前には「レディーメイド(既製品)、オーダーメイド(オーダー品)のどちらにしますか?」という意味が込められています。製品の販売は、松屋銀座5階レザークラフトマン売場と自社、あとはECで行っています。

巖谷:〈READY OR ORDER〉の起源とは?

井戸さん:もともと実家が祖父の代から財布屋だったので、革小物を作るメーカーで8年ほど修行時代を過ごした後、フリーの職人として色んなメーカーさんの下請けをするようになりました。で、ある時、僕が手がけた財布がとある雑誌編集者の目にとまり、色んなご縁が重なって、僕個人が作った財布をその雑誌で大々的に取り上げてもらえることになったんです。それが2005年、〈READY OR ORDER〉というブランドが世に出た瞬間です。その年の販売はECだけで行ったんですが、とても好評だったので、翌年はその第2弾をぜひ実店舗でという話になり、その店舗というのが松屋銀座さんだったという。

巖谷:そのような経緯があったんですね。井戸さんはレザー職人としてどんなことを大切にされていますか?

井戸さん:ちゃんと作ること、ですね。今の財布って、色んな部分を省いて作られているものが多いんですけど、僕は昔ながらの技術できちんと手間暇かけて作ることを大切にしています。

巖谷:私の上司も、井戸さんが作ったお財布を15年くらい使っているけど、なかなか壊れないと言っていました!買い替えようと思っても、その必要がないんだよね、って。

井戸さん:そう、みなさんずっと使えちゃうみたいで・・・(笑)でも、やっぱり機能的で長く使える財布を求めている方はたくさんいらっしゃるので、これからもこの信念は貫きたいと思っています。

機能性と使い心地を追求した長財布、「MOTHER ZERO」。
巖谷:イチオシのアイテムをご紹介いただけますか?
井戸さん:長財布の「MOTHER ZERO」ですね。これもまた雑誌の企画で、6年くらい前に誕生しました。「コンパクトな長財布で、カードは5枚収納できればOK」というお題に対して、あらゆる工夫を凝らし、当時主流だった長財布をちょっとだけ小さく、薄くして、フルで開ききるようにして。コンパクトさは保ったまま、カードは7枚収納できるようにした結果、多くの方にお買い上げいただきました。
巖谷:「MOTHER ZERO」はロングセラーですよね。〈READY OR ORDER〉さんの製品って、職人さんらしさはありつつも、アイデアがすごく詰まっていて、作りの良さと井戸さんの独特な感性から生み出される使い勝手の良さが共存しているんですよね。この製品も、既製品とオーダー品、どちらも選べて。
井戸さん:そうですね。革の素材や色、ステッチの色など組み合わせ次第でいかようにもできるので、老若男女みなさんに使っていただける製品になっています。
松屋銀座・レザークラフトマン売場の顔、〈READY OR ORDER〉。
巖谷:松屋とのお付き合いについてお聞かせください。
井戸さん:一番はじめは、先ほどお話しした、雑誌社との企画の第2弾として、5階紳士雑貨売場でミュージシャンの方とのコラボ財布を販売させてもらったんですが、こちらも大好評で。その年の秋に、今度は1階スペース・オブ・ギンザで開催の催事「イタリア展」にお声がけいただいて。
巖谷:普段はなかなか表に出ることのない職人さんに、いきなり店頭で販売していただいたという・・・。
井戸さん:でも結果的に、この催事でも1週間で80本とかオーダーいただきました。当時はまだあまり、財布をオーダーメイドできる売場はなかったですしね。で、それ以来、かなり頻繁に定期的に、5階の売場で販売させていただくようになって。
巖谷:その後、2015年に松屋銀座の5階紳士服フロアリニューアルのタイミングで、松屋初の革小物専門の常設売場・レザークラフトマン売場ができて、〈READY OR ORDER〉さんをはじめ、様々なブランドさんに交代で出店していただくようになったんですよね。
井戸さん:その年の12月から常設店となり、僕も毎週月曜は売場に立っています。やっぱりお客様の反応が直に見られるというのは貴重ですよね。世の中のニーズを定点観測できるので、製作に活かせる小さな気づきもいっぱいあって。
巖谷:今回松屋銀座では、催事「レザークラフトマンワールド」が「クラフトマンワールド」と名前を変えて、2年ぶりに復活することになりましたが、こちらについてはいかがですか?
井戸さん:やっぱりこの催事でお客様と直接触れ合えるのはとても嬉しいですね。僕たちは5階にも常設店があるので、1階の催事ならではの特別感を感じていただくためにどんな工夫ができるか、今、一生懸命考えているところです。
巖谷:フロントランナーである〈READY OR ORDER〉さんは、リピーターのお客様がたくさんいらっしゃるんですよね。だから我々としては、まだ出合っていない方々にも、もっとご紹介できたらと思っています。
井戸さん:今後はインバウンドのお客様に対してももっと良いかたちでアプローチしたいし、若いお客様にももっと僕らのことを知ってもらえたら嬉しいですね。
巖谷:松屋では大切なお客様に差し上げるノベルティーとして、〈READY OR ORDER〉さんの革小物を何度も選ばせていただいていて。それくらい私たちは井戸さんが作る製品に信頼をおき、皆様に自信を持っておすすめできると思っている。なので、次の展開を見据えて、今後も様々なことに一緒に取り組んでいきたいですし、それはもちろん売場や催事をより良いものにするために大切なことでもあると考えています。歴史あるレザークラフトマン売場のバイヤーになったので、私自身、緊張感を持ってがんばっていきたいと思います。
バイヤー・巖谷×クラフトマン スペシャル対談②
〈IRONO〉オーナー/アクセサリー職人 宮田彩乃さん


巖谷:今回から新たにハンドメイドのアクセサリーブランドにもご参加いただくかたちに生まれ変わった催事、「クラフトマンワールド」。アクセサリー職人の代表として、〈IRONO〉さんのお話も伺いたいと思います。

宮田さん:〈IRONO〉では、主に真鍮とシルバーを一から切り出して、叩いて、バングル、イヤリング、リングなどのアクセサリーを作っています。お店は持たず、ECと催事だけで販売するスタイルで、今年で8年目になります。もともとは空間デザインの仕事に就いていたのですが、入社して10年くらいの頃に何か別のことをやってみたくなり、アクセサリー作りをはじめてみました。最初はパーツを買って組み合わせて作っていましたが、ある時、大好きな素材、真鍮の板を買って、独学で削り出してみたら、自分の好きな感じに仕上がって。そこがはじまりですね。

巖谷:宮田さんはアクセサリー職人としてどんなことを大事にされていますか?

宮田さん:見て素敵というだけじゃなくて、実際に身につけた瞬間から、つけ続けた先のことまで想像して作っています。重さとか素材感とか、つけ心地をとても大事にしていて。

巖谷:見た目というより、つけ心地の良さ?

宮田さん:その方に馴染み、違和感なく身につけていただけるものをご提案したいというか。私のお客様は、男女ともにそれまでアクセサリーを身につけてこなかったという方も多いんですが、みなさんつけた瞬間に「これだったら・・・」と思っていただけるようで。おそらくシンプルなものが多いからかなぁと。

巖谷:つけ続けた先のこと、というと?

宮田さん:例えば真鍮は、アンティークっぽく変色していくのを楽しむ金属なので、色が変わった後のお手入れの仕方など、数年先のことまで必ず説明します。シルバーは、私が使っている素材はほぼ純銀なので、基本的には酸化が起こらず、黒ずみの心配をする必要がない、ということをきちんとお伝えしたり。「育てるアクセサリー」がコンセプトという感じです。

職人の感性が息づく、「yurari バングル」。
巖谷:イチオシのアイテムをご紹介いただけますか?
宮田さん:「yurari バングル」ですね。揺らいでいるからこの名前に。板状のものを波打たせるために糸のこで一つずつ曲線をカットして、表面を削って作っています。ストレートだとちょっと重いので、腕に馴染む感じに仕上げて。真鍮とシルバーの2種類あります。
巖谷:〈IRONO〉さんといえばこの製品、というイメージがあります。私自身、初めて見た時に、一番インパクトが強かったのがこのバングルで。プロダクトとしても素敵だし、クラフトマンらしい雰囲気があって、これは松屋のお客様に支持していただけるデザインだなって思ったんです。
宮田さん:春夏は素肌に、秋冬はニットの上にもつけられるので、季節を問わず、様々な年齢の方に身につけていただけます。サイズも色々あって、波の揺らいでいる感じもすべて違うんですが、何本か一緒につけてもかわいいので、自在に合わせていただけるかなと。普段使いからお呼ばれシーンまで、いつでもお楽しみいただけます。
〈IRONO〉のアクセサリーで、「クラフトマンワールド」に新たな彩りを。
巖谷:〈IRONO〉さんは、同業者からご紹介いただいたんですが、はじめからものすごく惹かれるものがあって。プロダクトの一つひとつに、職人さんの確かな個性と品の良さがあって、これは絶対、松屋銀座で取り扱わせていただきたい!と思いました。これまでに5階紳士雑貨売場で3回ほどポップアップイベントに出店していただいて。
宮田さん:はじめは紳士雑貨売場での展開と聞いて、「なんで私?」と思いましたけど(笑)でも実際に売場に立ってみると、婦人服売場とは違うカッコ良さみたいなものがあったんですよね。〈IRONO〉のプロダクトの雰囲気と、すごく合ってる感じがして。
巖谷:いや、でも私としては、5階の紳士雑貨売場に出店していただいている歯痒さや、もっと女性のお客様が多いところで・・・という思いがずっとあったので、1階での催事が復活した時には、ぜひお声がけしたいと考えていました。そこで今回、自分がバイヤーになったタイミングで新たに「クラフトマンワールド」が開催されることになり、満を持してお願いしました。
宮田さん:私もほんと、念願のっていう感じです。
巖谷:色んなお客様に一気に知っていただけるチャンスなんじゃないかなと。来店された方には、まずはやっぱり身につけていただきたいですね。
宮田さん:例えば耳や指のサイズや形って、みなさんそれぞれ違うんですよね。それを見た上でぴったりのものをご提案しますので、ぜひ実際に身につけて、色々お尋ねいただけたらと思います。
巖谷:今後の展望についてお聞かせいただけますか?
宮田さん:今回の「クラフトマンワールド」への出店をきっかけに、これまで大切にしているものは守りつつ、デザインも、素材も、もうちょっとアップグレードしていけたらなと。あとはブランドとしての強みを固めていきたいという思いもすごくあります。銀座にある松屋さんの1階の催事の出店者に選ばれたということは、ブランドとしてちゃんと認められたというか、今までやってきたことは間違っていなかったんだという思いがあるので、その自信を胸に、ここからさらにもっと良いものを作っていきたいなと思っています。
巖谷:「クラフトマンワールド」の開催を通じて、私たちも〈IRONO〉さんとともに、お客様の生活に彩りをもたらすことができたら嬉しいです。やはり職人と直接会話をしながら日本のものづくりの良さに触れていただけるというのは、この催事ならではの特長ですし。常設のレザークラフトマン売場ともども、松屋銀座がこれからますますお客様と職人のみなさんをつなぎ、両者が新たな関係性を築くハブのような場所になっていくことができるよう、私自身もバイヤーとして、襟を正しながら、前進していきたいと思います!
クラフトマンワールド

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