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森さんちに、おじゃましました 暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.16

プロフィール
森 百合子mori yuriko
北欧5ヶ国で取材を重ね、旅や暮らし、デザインの情報を中心に発信。著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社)、『いろはに北欧 わたしに“ちょうどいい”旅の作り方』(ダイヤモンド・ビッグ社)ほか。執筆活動に加えて、NHK Eテレ『趣味どきっ!』、NHK 総合『世界はほしいモノにあふれてる』などメディア出演や講演を通じて北欧の魅力を伝えている。

よい「白」を選ぶ

私はカラフルな色づかいや、柄ものが大好きです。北欧のデザインやインテリアに惹かれるのも、大胆な色や柄づかいに魅せられているところが大きいです。食器でも服でも、つい柄物やカラフルなアイテムを選んでしまうのですが、最近やっと白の偉大さに気づきました。色や柄好きこそ、白を上手に取り入れるべきだな、と。 柄オン柄、色&色の組み合わせも素敵ですが、さじ加減を間違えると、お互いの良さを打ち消し合ってしまいます。服のコーディネートとも通じますが、白や黒などモノトーンカラーと合わせればまとめやすく、主役となる色や柄が引き立ちます。 わが家のリノベーションでも、白選びが肝となりました。例えばキッチンのタイル。リノベーションの際に、青い葉っぱ柄の壁紙(『ベルサ』の名前で有名な、もとは食器に使われたデザインです)を一面に貼ることにしたのですが、この柄を際立たせるにはやっぱりタイルは白!……と決めたものの、カタログやショールームでタイルだけを見ていると「カラータイルも可愛いなあ~」と気持ちがふらふら。白でしょ白、と雑念を振り払っていざ選ぼうとしたら、これがなかなか難しい。マットな白もあれば光沢のある白もあり、色味もアイボリーのような暖かみのある白もあれば、青みがかった白、純白とさまざま。「白は無難で簡単」とどこかで思っていましたが、いやいや白こそ難しい!と思い知りました。照明やキッチンフードも白で統一したのですが、できあがったキッチンを見てつくづく白にしてよかった、いい白を選べてよかった!と思います。


色とりどりのクッションを並べたソファ代わりの腰掛けスペース。ここは、北欧で見つけたテキスタイルなどを中心に色や柄を組み合わせて遊ぶ場所にしようと思い、もともと腰掛けカバーも柄のあるテキスタイルにしていたのですが、クッションが増えていくにつれ、さすがにトゥーマッチな状態に。白いブランケットをかけて白の面積を広げたら、収まりがよくなりました。


リビングやアトリエの壁色も白なのですが、部屋ごとに塗材や漆喰、壁紙と仕上げを変えたため、少しずつ白の表情が異なります。グレーや黄みが入った白にはヴィンテージの家具など深い色味のアイテムが合うとか、マリメッコなど鮮やかな色に合わせるならニュートラルで明るめのクリアな白がいいんだな、などなど白の使い方が少しずつわかってきました。


そして器選びでも、白を手に取るようになりました。陶磁器も白のトーンがさまざまです。花瓶代わりに使っている白いピッチャーやヴィンテージの魚型プレートは形が個性的ですが、白なのでとても使いやすい。カラフルなテーブルクロスに白い器を合わせると、スキができていいなあと今さらながらに白の魅力に目覚めています。 無難な色と思われがちな白ですが、なかなかどうして奥深い。お気に入りの白を見つけられたら、色や柄を楽しむための引き出しがまた増える気がします。

vol.15「ワードローブのお守り」はこちら

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