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森さんちに、おじゃましました 暮らしを楽しむ「これでいいんだ!」のアイデアvol.12

プロフィール
森 百合子mori yuriko
北欧5ヶ国で取材を重ね、旅や暮らし、デザインの情報を中心に発信。著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社)、『いろはに北欧 わたしに“ちょうどいい”旅の作り方』(ダイヤモンド・ビッグ社)ほか。執筆活動に加えて、NHK Eテレ『趣味どきっ!』、NHK 総合『世界はほしいモノにあふれてる』などメディア出演や講演を通じて北欧の魅力を伝えている。

ハンパなものの存在感

わが家で日常的に出番の多い器がソーサーです。はい、カップ&ソーサーのソーサーだけ。ケーキ皿として使ったり、お漬物や佃煮などちょっとした食材をのせたりと豆皿のように使っています。


ソーサーを集めるようになったのは、北欧での経験がきっかけでした。コペンハーゲンのレストランで食事をしていた時に、デザートがソーサーにのせられて出てきたのです。ワインとのペアリングでコース料理を出すようなお店だったのですが、ケーキ皿の代わりにソーサーが使われてそれもよく見ると縁が少しかけている。こんなお店で壊れたソーサーを皿代わりにお客さんに出しちゃうのか!と最初こそ驚きましたが、気にして見てみるとお店でも家庭でもお皿やコースター代わりによく使われているのですよね。ちょっとかけたからといって捨てるなんてもったいない、まだまだ使えるでしょ!と気にせず使ってしまうのは北欧らしいなとも思いますし、かけたヴィンテージの器が妙に味わいのある佇まいだったことにも心惹かれました。


蚤の市や中古品の店に行くと、ソーサーだけを売っていることもあります。こうしたハンパものは当然お値段も安いですし、他のものを買った際におまけでくれたこともありました。きちんとしたセットで買うには手が出ないような憧れのシリーズも、ソーサーなら気軽に試せます。同様にソーサーが割れてしまったカップもセットで買うよりお得なので、わが家にはカップだけ、ソーサーだけのハンパものが集まるようになりました。そしてこれを組み合わせて使うのが楽しい。


ストックホルムのとあるカフェでは、セルフサービスのドリンクコーナーにハンパもののカップとソーサーがたくさん置いてあり、客が好きに組み合わせて使うようになっていました。この柄とこの柄を合わせてみたら案外いい感じ、これもアリだなあ……なんて選んでいくのが楽しいのですよ。そういえば日本の懐石料理や豆皿の文化を見ても、さまざまな形や質感の器を自在に組み合わせていますよね。


もうひとつ、ハンパなものの使い方で気に入っているのがこちら。サイズの小さなテーブルクロスは、ななめにかけて使うのです。北欧の家で時折見かけるアイデアで、昔の暮らしを伝える博物館でもこうした使い方が展示されていました。柄が好きで買ってしまったけれど、わが家のテーブルには小さすぎたな……という布はこうして使えばいいのか!とそれも目からウロコでした。テーブルを覆えるだけのサイズの布(無地など安いもので良し)を下に敷いて、その上にアクセントとしてななめにかけてもいいんです。


カップが割れてしまったソーサーも、サイズの足りない布も、工夫して使うことはリサイクルの精神にもつながりますが、何より自分の好きな色やデザインを気軽に楽しむ知恵でもあるなと思います。良いデザインを実際に使ってみることで、自分の暮らしに合う色や質感、自分好みの柄やデザインに気づくこともあります。さまざまなデザインをミックスしてコーディネートする練習にもなりますしね。そしてこういうハンパなものが案外と自分らしさや居心地のいい空間を作る上でプラスに作用しているのかもしれないなあと思うのです。

さて最後にお知らせです。このたび、北欧の雑誌のような"zine"を作りました。タイトルは『Psi-Psi(プシプシ)』。これまでに書いてきた本と比べると、よりパーソナルな北欧での体験や情報を綴った一冊です。もし手にとっていただけたら嬉しいです。


北欧のzine『Psi-Psi(プシプシ)』森 百合子 著
※11月13日(土)発行


vol.11「カーテンとの付き合い方」はこちら

組み合わせる楽しさ、ヒントやアイデアをここで発見!

松屋銀座のショップをご紹介いたします。

7階スキャンデックス

デザインと機能性に優れた生活雑貨、インテリアアイテムがそろいます。

お好きな色味のカップ&ソーサーをあわせても楽しいですね。

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