社員インタビュー松屋銀座を、地域共創のプラットフォームに。


本店 共創事業部 IPクリエイション課
柴田 亨一郎SHIBATA KOICHIRO
1996年度入社
- 経歴:銀座店紳士装身具売場⇒浅草店婦人靴・ハンドバッグ売場⇒販売促進課催場係⇒出向⇒宣伝装飾課⇒事業開発課課長⇒BD推進課課長⇒現職
本店 共創事業部 IPクリエイション課
柴田 亨一郎SHIBATA KOICHIRO
1996年度入社
IPクリエイション課では、松屋の知的財産(Intellectual Property)を創り出し、その知的財産を活用して「社会貢献」と「事業化」を両立していくことをミッションとしています。その中で特に力を入れているのが、地域ブランディングです。経済同友会の地域共創ワーキンググループで地方を訪問している際、伝統工芸、産業、文化にはいろんな問題が山積みになっていることを目の当たりにしました。そのとき、ブランディングの力で地域課題を解決する方法はないかと考えていました。そんな折に、高知県で「組子」との出合いがありました。実物を目にして、そのクオリティーの高さに驚きました。これを松屋のディスプレイに飾ったら、松屋としても今までにないクリエイティブが実現でき、同時に「組子」の素晴らしさを世の中へ発信していくきっかけにもなります。松屋とチームの得意分野である「デザイン力」、「銀座の立地」、「情報発信力」、この3つの力を使って、地方が抱えている課題を解決するお手伝いができるのではないか。そう考えたのが始まりでした。
更に、伝統工芸の魅力をより多くの方に広めるべく、装飾を有償で貸し出すことを始めました。松屋の装飾が他の商業施設で再利用され、また松屋に戻ってくる。この取り組みはお陰様で好評をいただき、装飾は次々にあちこちの施設を回るようになりました。他の商業施設は集客に繋げられ、装飾が日本各地に行くことで、伝統工芸の素晴らしさをより多くの方に知っていただける。そして、松屋は売上を作ることができ、その一部は職人の手に届きます。良いサイクルが出来上がったと感じています。再利用することに関しては、サステナブルの時代ということもあり、世の中の人たちも好意的に受け止めてくれています。今は一つの企業で独占する時代ではなく、シェアしていく時代になったなとも、感じています。
共創は、共に創ると書きますよね。だからお願いするお相手の方にも強い気持ちがないと実現しません。企画の段階では面白くても、実際は地域間や人と人との関係性で上手く進まなかったプロジェクトもあります。そういった意味では、お願いする人のことは真剣に見ていますし、熱意ある人との出会いはかけがえのないものです。クリスマスのディスプレイを飾った青森県のねぶたは、北村麻子さんにお願いしました。彼女は女性初のねぶた師で、ねぶたという枠を超えていろんなことにチャレンジしたいという情熱がある方です。徳島県の藍染・染師集団の「BUAISOU」の皆さんも、世界に出たいという強い想いを持っていた。そのような熱い気持ちを持った人たちとの出会いから、刺激やインスピレーションをもらっています。
2022年は青森県黒石市のブランディングに携わらせていただいています。グラフィックデザイナーの佐藤卓さん・こけし工人の阿保親子にご協力いただき、新しい津軽こけし「ルビンのこけし」を創りました。それが今、黒石市公認の代表的な物産品にしていきたいというご要望をいただいてます。「ルビンのこけし」はふるさと納税返礼品にもなり、一カ月で100件程度の納税がありました。そのようなところでも地域貢献をさせていただけていると思います。地域の課題は、日本全体が抱える課題でもあり、一筋縄ではいきません。また、一企業ができることには限界もあります。しかしながら、我々の事業が地域活性化の一助になれば、社会的にも非常に有意義なことだと思います。様々な企画から成功モデルを構築してゆき、全国の地域に拡大展開していくことが最終的な目標です。
大事なことはビジネスへの直感と行動力だと思っています。企画したい、こういうことやりたいと思っている人はたくさんいます。しかし、実際に行動に移せる人は意外なほど少ない。ビジネス的にこれは可能性があると感じたら、まずは動いてみることを心がけています。なぜこのように思うかというと、例えば青森のねぶたを使ったNFTアートにも着手しました。この業界はとにかくスピードが速い。じっくり考えてから動くというのでは、遅れをとってしまいます。IPクリエイション課も始動してからまだ8カ月くらいですが、この短い期間でどんどんプロジェクトの形を変えています。常に動いてないと遅れをとってしまう時代になったからこそ、変化に柔軟に対応し、走りながら考えていけるような人材が必要であると思います。