入社以来、15年中13年もの長い間、服部は紳士畑を歩んでいる。洋服や身の回りのものに関心が高かった彼としては、希望通りの配属だったといえよう。一見順風満帆に見える職歴。しかしいつしか服部は、メンズ売場にいながら自分たちの欲しいものが松屋にない、という漠然とした思いを抱えていた。そんな折、現状より若い層をターゲットにしたメンズのコンセプトショップを作る新プロジェクトが立ち上がる…という話が彼の耳に飛び込んできた。もちろん、ぜひ参加したいと手を挙げ、チームのメンバーになる。 プロジェクトチームにはさまざまな部署から有志が集合。女性もいたし、婦人服担当も浅草店のメンバーもいた。部署もキャラクターも多様なメンバーだったが、全員に共通するものがあった。『松屋を変える』という強い意識。ターゲットの調査を徹底して行い、売場を作っていった。それはこれまで見たこともない売場。どういう風にこれから変わっていくかなんて誰にも分からない。でも変えていきたいという強い意識がそこにはあった。 「自分たちで全部手作りしたようなイメージ。売場環境から什器、受けてみたいサービス、更にはつり銭をお渡しする時の金盆や使う計算機、ボールペン1本まで徹底して詰めました。細部までこだわると、来店する方としては『ああ、ここはの中でも明らかに違うんだな』って思って頂ける。」 試行錯誤を経て完成したショップは≪SOHO’S ROOM≫と命名された。以後オープンから1年間は≪SOHO’S ROOM≫店長として、その後4年間は自分がお客様ならどう思うかという視点を常に意識しながら、バイヤーを務めることになる。
※1 BUYER’S DAY ・・・ お客様の声を聴くために午後から夕方にかけてバイヤーが店頭に立つイベント ※2 バイヤー朝礼 ・・・ 新しい売場提案・商品コーディネートについてのアドバイスを販売員に伝える朝礼 ※3 リコメンドM ・・・ 松屋がおすすめするスペシャルアイテム。限定販売や先行販売の商品