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バイヤー 紳士靴・鞄・用品バイヤー服部延弘 子供服バイヤー竹林政子 紳士靴・鞄・用品バイヤー服部延弘

子供服バイヤー竹林政子 紳士靴・鞄・用品バイヤー服部延弘
挑戦し続ける人生
04年秋、MATSUYA銀座6階の子供服売場は15年ぶりの大きなリニューアルを実施しました。このリニューアルにあたっては、今後のお客様となりうるであろうジュニア世代(小学生)を取り込むこと、そして「高くても良いものを」というお客様のニーズに応えること、この二つの命題に取り組んだわけです。
顔写真
 
 
 
ジュニアというカテゴリの新たなる増設。それは子供服売場の面積そのものを多少拡充できるという条件があったとはいえ、単なる増設作業というわけにはいかない。子供服売場全体のゾーニングからの見直しという、地を這うような苦労が待っていた。
ゾーニングとは、建物空間を機能や用途に応じていくつかのエリアに分けること。以前のMATSUYA銀座の子供服売場は、店内の見通しがあまり良くなく、ブランドショップも点在していたために、それぞれの商品がどこにあるのかわかりにくかった。
そこで今回のミッションは、各売場が適切な場所に配置されるようなゾーニングの立案と、この位置でこの商品が見えるようにという観点で動線を設計し、通路を変えていくことだった。また、売場のイメージをより明るくするために照明を増やした。間接照明も導入して、子供服売場らしい柔らかで優しげな雰囲気をもたらした。
ゾーニングと同様に苦労したのは、什器(※3)選びだった。子供服といってもカテゴリが多くある。洋服もあれば靴や帽子、カバンなどの子供用品もある。おもちゃも各世代のものがあるし、大人をターゲットにしているマタニティもある。商品を見る視線の高さも違えば、おもちゃのように遊んで選ぶものから洋服類のように試着して選ぶものと、選び方もまったくことなる商品群が一堂に会しているのだ。そうした、全然違うカテゴリの商品たちをどう配置し、どう見せるか。そのための什器選びは困難を極めた。
什器選びには、売場で販売を担当しているスタッフたちのアドバイスが欠かせなかった。各カテゴリに関して、それぞれの販売担当に意見を聞いて回るという作業が続いた。時間も随分費やした。しかしやがて、その苦労が大きな実を結んでいく。

ゾーニングによって生まれ変わった
おもちゃ売場

商品カテゴリーごとに什器を選択した。
コーナーに設けた什器はその例の一つ

移動可能な什器を設ける事により、
スペースを有効活用できるようになった
 
 
プロジェクトの中には挑戦的な試みもあった。ベビー用家具のショップを売場内に立ち上げるという計画だった。
取り扱ったブランドは、ノルウェーの家具ブランド、「ストッケ」のベビーコレクション。価格帯は国産のもののほぼ倍だ。当然、こんな高いものが売れるのだろうかという心配もなくはなかった。しかし、北欧家具独特の高機能性と洗練されたデザインが評判を呼び、オープン以来、予想以上の売上を上げている。MATSUYA銀座のステイタス性や信頼感が、高級ベビー家具という需要を新たに生み出したのかもしれない。
しかし、高級ベビー家具を取り扱ったこと以上に革新的だったのは、子供服売場でベビー家具を集積して品揃えする、という専門店化を図ったことにある。都心の百貨店では、こうした発想はいままでにはありえなかった。しかし今は、「高くてもいいから特別でいいもの」を嗜好する傾向が確実に高まっているのだ。そうした時代の流れに、百貨店も対応していかなければならない…それがプロジェクトの決断であり、残した結果であった。

ヒット商品となった「ストッケ」社製の
ベビーベッドは北欧らしい洗練された
デザインが好評
 
 
今現在の売場の状況を検証してみると、最近2・3階の婦人服フロアとの買い廻り率が上がり、20代後半から30代女性のお客様が増え、ベビー服と雑貨の売上が非常に伸びている。このことが何を表しているのか。1つは出産祝いギフト需要が増えている、ということが挙げられますが、私が特にこれからの子供服売場作りへのヒントとして重要視しているのが、『お母さん』自身の意識が変わりつつある、ということ。つまり、自分で使うための物を自分で買う、自家需要にお金をかける方が確実に増えていらっしゃる。この傾向はマタニティーウエアのファッショナブル化などにも顕著に現れていますが、この年代のお母さん達はインターネットを利用される方が多いため、外出できなくても知識が豊富で流行に敏感。自分の好きな洋服ブランドを子供にも着せたい。子育てにも今話題のこだわりのある雑貨を使いたい。以前に比べ、希少商品へのお問合わせも格段に多くなってきています。その点で「ストッケ」社の高級家具導入は功を奏したようです。
一方でリニューアルの目玉だったジュニアブランドは、市場の状況自体が苦戦に陥っていることもあり、正直なところ思うように動いてはいません。リニューアル時の想定と、実際のお客様の流れとのズレ部分を修正するために、今後も一部改装を予定していきたいと思っています。お客様や流行、モノ、マーケットの状況全てが変化し続けている今の時代、売場の完成型はあり得ません。

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