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バイヤー

子供服バイヤー竹林政子 紳士靴・鞄・用品バイヤー服部延弘
銀座本店 紳士靴・鞄・用品バイヤー 服部 延弘

今から15年前。就職活動をしていたときの思い。
自分自身が媒体となってお客様に何かを伝え、
驚きや面白さを感じてもらう仕事をしたいという思い。
それが叶った今、次に彼が狙うのは世界で一番になること。
顔写真
 
 
バイヤーの仕事は「伝えること」。作り手の思いをお客様に伝える。
お客様のニーズを作り手に伝える。作り手の思いを、仕入れの意図を販売員に伝える。
作り手の思い、お客様のニーズ、そして自分自身の商品に対する思い。
語り出すととまらないそんな熱さのあるバイヤーの中から、一人のバイヤーを紹介したい。
   
  海外に行って感じた東京の凄さ
 
学生時代にアルバイトしてお金を貯めては海外旅行に行く。服部もそんな学生だった。しかし海外に行けば行くほど実感するのは『日本の良さ』、そして『東京の凄さ』。
「たとえばニューヨークって凄いけど、ちょっと離れるとド田舎になっちゃう。東京は一つの街の中に華やかなところが数多くある。海外にけば行くほど東京っていいなと思うようになって。」
そして服部は東京、銀座の百貨店「松屋」に入社する。グレードの高いもの、価格だけでなく、品質・デザインのクオリティの高いものを発信したいという志を携えて。
   
  自分の欲しいものがMATSUYAにない
 
入社以来、14年中12年もの長い間、服部は紳士畑を歩んでいる。洋服や身の回りのものに関心が高かった彼としては、希望通りの配属だったといえよう。一見順風満帆に見える職歴。しかしいつしか服部は、メンズ売場にいながら自分たちの欲しいものが松屋にない、という漠然とした思いを抱えていた。そんな折、現状より若い層をターゲットにしたメンズのコンセプトショップを作る新プロジェクトが立ち上がる…という話が彼の耳に飛び込んできた。もちろん、ぜひ参加したいと手を挙げ、チームのメンバーになる。
プロジェクトチームにはさまざまな部署から有志が集合。女性もいたし、婦人服担当も浅草店のメンバーもいた。部署もキャラクターも多様なメンバーだったが、全員に共通するものがあった。『松屋を変える』という強い意識。ターゲットの調査を徹底して行い、売場を作っていった。それはこれまで見たこともない売場。どういう風にこれから変わっていくかなんて誰にも分からない。でも変えていきたいという強い意識がそこにはあった。
「自分たちで全部手作りしたようなイメージ。売場環境から什器、受けてみたいサービス、更にはつり銭をお渡しする時の金盆や使う計算機、ボールペン1本まで徹底して詰めました。細部までこだわると、来店する方としては『ああ、ここはMATSUYAの中でも明らかに違うんだな』って思って頂ける。」
試行錯誤を経て完成したショップは≪SOHO’S ROOM≫と命名された。以後オープンから1年間は≪SOHO’S ROOM≫店長として、その後4年間は自分がお客様ならどう思うかという視点を常に意識しながら、バイヤーを務めることになる。

  銀座にある百貨店としての『使命』
 
現在、服部はバイヤーとして紳士靴・鞄・用品売場を担当している。「≪SOHO’S ROOM≫がトレンドを非常に意識する売場だったのに対し、現在の紳士靴・靴下・肌着・バッグって極端に言うと、“生活に必要なもの”。」だと服部は言う。でもだからこそ、「お客様に使いやすいだけでなく、さらに付加価値なり感動なりがついた商品をご提案したい。」と続ける。
たとえば旅行や出張やギフトなど、いろんなシーンの中で松屋銀座にしかできないような商品や提案プロモーションを強く意識し、それがまた効果をあげて実績を出している。
「自分が欲しいと思ったり、この色が足りない、こうした方が便利じゃないか、というのをお取引先に具体的に話をすると、先方も乗ってきてくださって、じゃあ実際にオリジナルで出してみようかって話になる事は多い。」

たとえば革のブリーフケース。スーツのスタイリングに合わせるブリーフケースと、カジュアルなジャケット&パンツのスタイリングに合わせるものとはやはり異なる。しかし細部のデザイン・革の質・使い勝手まで含めてどちらでも持てるよう、革の選定の部分から携わり、オリジナル商品を作成している。
さらに服部は、学生時代に感じた『日本の良さ』・『東京の凄さ』を店頭で発信し続けている。
「実は革=ヨーロッパ至上主義みたいなところがあって、イタリア産なら、フランス産ならいいっていう世界がある。でも日本の技術って優れているし、日本の革も職人の腕も非常に素晴らしい。だからメイド・イン・ジャパン、メイド・イン・東京にこだわったものをしっかりお客様に伝えたい。」

たとえば、国産の革を使って日本の職人の手で、藍染や柿渋といった独特な日本の製法で作った財布。日本のメーカー・職人という切り口のイベントの提案。そこにある思いを服部はこんな風に語った。
「松屋銀座だけにしかない銀座モデルの商品をしっかり提案していきたい。日本を代表する街、銀座にある百貨店として、日本にあるいいものを紹介するっていうのも使命だから。」


常に新しいアイデア・切り口をもつ服部に、休みの日にはやはり同業他店を廻るのかと尋ねると意外な答えが返ってきた。
「あまり行かない。休みの日には書店や家具店によく行く。」
書店ではまず人を観察するという。
「年代も嗜好も様々な人がいて、書店によってその客層が異なるところが面白い。あとは一見同じように見えて、地域や場所によって一番目立つところに置く本が違うのを見て、ああなるほどなって納得することが多いから。」
そして家具店ではお客様と販売員が話をしながら、オーダーで発注する店を見に行くと言う。
「細部にわたって対話をして、好みを聞きながら少しずつ手を加えて“オリジナル”な家具を作っている点に共感できるし、ヒントになることが多い。」
この「オリジナル」という言葉は、服部の夢について尋ねた時にも登場する。

  服部バイヤーの次なる夢
 
「いま銀座本店の自分の売場の店頭にあるものは、間違いなく自信を持ってお奨めできる。」
服部はそう言い切る。これはバイヤーとしての使命を自分に課し、一つ一つ積み上げてきたからこその発言である。
「モノを売るって仕事は、あるモノを『これどうぞ』とただ売ることじゃない。お客様から得た意見・情報をメーカーに伝えて、それを反映した商品を提供し、その良さをお話して買って頂く。その後「この間のよかったよ」とか「また何かない?」とご来店くださった瞬間、それが成功の証。自分が“媒体”となってお客様とメーカーの橋渡しをするのは、社会の中で仕事をしている僕の責任だと思っているし、僕のバイヤーとしての指針でもある。」
銀座という場所にある百貨店として“ブランド”にも魅力は感じる。でもその一方で、服部なりのエッセンスを加え、少し値段が高くなっても一生大事にするというお客様のニーズに応える商品の必要性を感じているという。
自分自身が媒体になるという最初の夢を実現した服部の次なる夢は、
「自分の考えたオリジナルブランドで、ひとつの売場を作りあげたい。松屋の中にあったら面白いなっていうモノを集めて。とにかく負けず嫌いなので、銀座で1番というより日本で1番、世界で1番になりたい。だから他にはないいろんな事をやってみたいという思いが、枯れることはない。」

  バイヤーはいったいどんなスケジュールで動いている?なかなか見られないバイヤーの一日をご紹介。
   
 
   
 

 
    ※1 BUYER’S DAY  ・・・ お客様の声を聴くために午後から夕方にかけてバイヤーが店頭に立つイベント
    ※2 バイヤー朝礼  ・・・ 新しい売場提案・商品コーディネートについてのアドバイスを販売員に伝える朝礼
    ※3 リコメンドM  ・・・ 松屋がおすすめするスペシャルアイテム。限定販売や先行販売の商品
   
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