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連載・ホンモノ

Vol.37 三谷龍二 「7.5」

2014年3月12日更新

3月19日(水)から、松屋銀座7階の「デザインギャラリー1953」で展覧会「7.5」が開催される。企画は昨年日本デザインコミッティーのメンバーになった、木工作家の三谷龍二さん。プロダクト、グラフィック、建築などデザインのあらゆる分野から第一人者が集まって、50年を越える活動を続ける日本デザインコミッティーでも、直接ものづくりを行う工芸作家がメンバーになるのは初めてのケースだ。「生活者の眼が持つ直観力を大切にしたい」と語り、工芸デザインに新たな光を当てようとしている三谷さんに、これからのデザインや展覧会についてお話を伺った。

バターケースとスプーンから始めた“木の器”づくり

ギャラリーで展示会を行えば作品はすぐに売り切れ、木工作りを楽しむワークショップはあっという間に満員となる。その人気ぶりはすさまじい。中には入手まで1年近くかかる作品も。近年はインタビューされる機会も多い。名前は知らなくても、雑誌やネットでその作品を目にしている人は多いはずだ。
福井県生まれの三谷さんは独学で木工を学び、29歳で長野県松本市に自身の工房を開設した。周囲に家具を作る職人は多かったが、家具以外で自分にできることがあると考えて始めたのが“木の器”。最初に作ったのはバターケースとスプーンだった。

「バターケースを作ったきっかけは、伊丹十三さんのエッセイ。毎日使う物だから、少しでも気持ちの良いものを使いたいと書かれていた。僕も息の長いもの、長続きするものを作りたかったので、日本ではまず見かけない木のバターケースを作ったんです。そこから30年以上。今も同じデザインのものを作り続けています」
このバターケース、今では三谷さんの代表作となっている。手頃な価格のスプーンやフォークも根強い人気。時計やお香道具のように、食にとどまらない生活用品も数多い。90年代半ばからは漆器作りに着手。日本には木工作家が自由に漆の技術を学べる環境がないので「見よう見まねで」勉強し、自身の技術を完成させた。産地が生み出す伝統工芸品とはどこか異なる独特の風合い。漆の器はオイルフィニッシュと並ぶ三谷作品の顔となっている。

工房は市街地から少し登ったリンゴ園の中にある。工房の脇に積み上げられているのは、山桜やウォルナット、神代楡(じんだいにれ)などさまざまな木材。職人さんとの共同作業で刳り(くり)ものと挽きものの技術を使って器を作り、オイルを塗って丁寧に仕上げていく。漆の器は形を作った後、近くにある別の工房へ移し、室に入れて保湿しながら乾燥させる。漆はひとりで。黙々と、淡々と。ゆっくり時間をかけて。
「木工を始めた頃、木に対するこだわりはなかったんですよ。30年以上続けて、やっと分かってきました。木で作ることの必然性とか、生活に根差したものづくりの大切さが。毎日の暮らしの中で欲しいと思えるもの。僕が作りたいのはそれだけです」

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