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連載・ホンモノ

Vol.29 一幸庵

2013年7月24日更新

二十四節季、七十二候に着目した芸術品のような和菓子たち

水上氏は日本文化に根差した伝統的な和菓子職人であると同時に、グローバルな視点を併せ持つ柔軟な発想の持ち主でもある。フランスのチョコレートメーカー「ヴァローナ」の招聘で和菓子の講師を務めたことをきっかけに、ヨーロッパやアメリカで日本の菓子文化を広める活動を開始。これまでパリ、ミラノ、バルセロナ、モントリオールで、和菓子のワークショップやレクチャーを行ってきた。チョコレートを使った和菓子、クリスマスやバレンタインをイメージした和菓子を作るなど、伝統にとらわれない新しい試みにも積極的に取り組んでいる。

職人気質の固まりのような水上氏が新しい視点やエンターテイメント性を重視するのは、和菓子の将来を心配しているから。
「和菓子は日本の文化です。それなのに和菓子は世界になかなか伝わっていかない。洋菓子に比べると和菓子は何周も遅れているように思えます。また、ペットボトルでお茶を飲む時代に、伝統を守るだけでは和菓子の文化は生き残れません。もちろん伝統も大切ですが、私はプラスアルファの要素が必要だと考えています。それが何であるかは私にもまだ分からない。でもあんこは、決してチョコレートに負けません」
ヒントは、水上氏の仕事の中に隠れているのかもしれない。

水上氏は、今、日本の旧暦にある二十四節季・七十二候を和菓子で表現する、前代未聞の試みに取り組んでいる。例えば二十四節季の「立冬」なら、その次候は「地始凍(ちはじめてこおる)」。大地が凍り始めるほどの寒い日を意味している。水上氏は寒天を使った菓子で、冷え切った大地を立体的に表現した。その見事な象徴性。和菓子というより、もはや芸術品と呼ぶべきだろう。
「和菓子屋は季節を追う商売なので、その時々に応じた菓子を作るのは普通なんです。でも特定の意味に即した菓子を72個も作った職人は他にいないでしょうね。試作を含めたら、おそらく3,000個は作っています」

創作した和菓子は、プロのカメラマンが撮影。七十二候の名称や意味と共に、水上氏が解説を加える。この労作は大手広告代理店の社員との共同作業で本にまとめられ、年内に出版される予定だ。もちろん、輝きを放っているのは七十二候の和菓子だけではない。店頭に並ぶ一つ一つの和菓子すべてに、水上氏の熱い職人魂と類い稀な美意識が込められている。そして銀座に来たら、ぜひ松屋銀座地下1階の「銘家逸品」に足を運んでみてほしい。そこには、こだわりを貫いた和菓子との幸福な出会いが待っている。

※本記事の内容は公開当時のものです。現在と内容が異なる場合があります。

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