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連載・ホンモノ

Vol.16 創作ぞうり 四谷三栄

2012年7月4日更新

店舗に花緒すげの職人を常駐させる理由

「四谷三栄」本店の看板には、“創作ぞうり”と大きく書かれている。他店にない草履をつくるため、伊藤社長は入社当時から工房に出入りし、職人の技を吸収してきた。
「オリジナルの草履をつくるには、つくり方を隅から隅まで知る必要がありました。でも職人はプライドが高く、依頼主であっても簡単には教えてくれません。職人の傍らで見て覚え、覚えたつくり方は全て記録に残しました」
自分の体に蓄積した製造ノウハウがあるので、職人と対等に話をすることができる。一見難しいと思える着想も、職人と一緒になって考えれば打開策は見つかる。軽量化を図るためコルクにたくさんの穴を開けたのも、伊藤社長と職人のそんな関係から生まれたものだった。

「四谷三栄」が伝統的なつくりの草履だけでなく、オリジナルの創作草履に力を入れるようになった背景には、顧客の嗜好変化がある。経済発展によって人々の生活が豊かになり、和装小物もホンモノ志向の高品質なもの、機能性の高いもの、今までにない斬新なデザインのものなどが求められるようになった。
「結局のところ、お客様が求めているのは自分専用の草履なんです。あらかじめ店頭に置かれている草履ではなく、台の形も花緒の柄も、自分の好みに合った草履を選びたい。もちろん完成したら自分の足に100%フィットさせたいから、花緒すげもしっかりやってほしい。そうした要求に応えるため、うちは本店とふたつの支店に腕のいい“すげ職人”を常駐させています」

松屋銀座の7階に「四谷三栄」の支店ができたのは2007年の8月。取引自体はその4年前から始まっていたが、当初は催事だけの期間限定出店だった。だが反応は意外なくらいに大きく、松屋には「その場で草履や下駄の花緒をすげてくれるので助かった」という声がたくさん寄せられた。そこには履き心地の良い草履は欲しいけれど、専門店は敷居が高くて入りにくいという、消費者の微妙な心理がある。

本格出店した「四谷三栄」は常に新商品の企画を手掛け、店頭では100色以上にも及ぶオリジナルの台を用意するなど、本店にも負けない独自色を打ち出している。店頭では三代目の伊藤実(まこと)氏が、顧客の足に合わせた花緒のすげ替えを実施。親切で丁寧な仕事ぶりは、すこぶる評判がいい。「百貨店で花緒をすげ替えられる」ことが、草履や下駄の裾野を広げることにも役だっていると言えそうだ。
「四谷三栄」は本店を入れて現在3店舗。地方からも出店の引き合いはあるが、手を広げるつもりはない。顧客の声を直に聞くためには自分の目が届くところに店がなければならない。それは伊藤社長の信念でもある。

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