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連載・ホンモノ

Vol.16 創作ぞうり 四谷三栄

2012年7月4日更新

草履、下駄、袋物の専門店「四谷三栄」が赤坂に開業したのは、1935年のこと。戦後間もなく現在の地である四谷に移転。以来80年近くにわたり、着物を愛する人々のためにさまざまな履物をつくり続けてきた。守っているのは、伝統が築き上げた匠の技、ニーズに応える斬新な企画力、染めの色調とオリジナル素材に対する深いこだわり。そこには、選ばれるだけの確かな理由があった。

使い勝手と履き心地を考えて、全く新しい草履を開発

草履や下駄の構造はいたってシンプルだ。靴底にあたる台に、前坪(親指と人差し指の間にくる部分)と花緒(鼻緒)をすげて完成。左右同じだから、洋靴に比べるとつくり方も簡単に思える。だがシンプルだからこそ、そこには多くの工夫と職人技が存在し、商品には驚くほどの差が生まれる。高級品と普及品の違いは、着物に詳しい人なら誰もが知るところだろう。
創業当時から、「四谷三栄」の履物は着物通に選ばれる存在だった。歌舞伎役者や俳優など、著名な顧客も数多い。素材にこだわり、履き心地を追求する。長く使えるよう、愛着の湧く商品を丁寧につくる。このポリシーは今も全く変わらない。

だが時代が高度経済成長期に入ると、そんな「四谷三栄」にも新たな展開が求められることになる。二代目にあたる伊藤荘太郎氏が入社した頃から、「四谷三栄」は百貨店へ出店。伝統的な履物だけでなく、この頃から同店は、顧客のニーズを汲み取った、全く新しい商品を企画・販売するようになる。
その第一弾が、雨でも滑らないように工夫した画期的な草履「ニューロマティックさかえばき」。滑り止め用の一体成型ゴムを裏に貼り、側面もコルクの上に防水加工を施している。前坪にあたる底部分もゴムで塞いでいるので、足袋を汚す心配はない。ここまで防水に気を配った草履は業界でも初めてだった。「ニューロマティックさかえばき」は定番商品となり、梅雨時には特によく売れている。

もうひとつの人気商品が、1998年より取り扱いを始めた「真綿入り草履」。長時間履いても疲れにくいよう、足裏にあたる部分に真綿を入れている。同類の草履は他店も扱っているが、「四谷三栄」の商品は真綿と本綿をくるみ合わせて、絶妙の緩衝効果を生み出しているのが特徴。履いた瞬間に足裏部分が足の形にぴったりフィットし、履いている間はその形がずっと維持される。
履き心地の良さは、一度履くと手放せなくなるほど。他店の草履と履き比べた結果、再び「四谷三栄」の「真綿入り草履」に戻ってくる人も多いという。

素材に対するこだわりでは、「しな布の草履」に驚かされる。しな布は、新潟県と山形県の雪深い山間部でつくられる古代織物。しなの木の甘皮を剥ぎ、乾燥させて木灰汁で柔らかく煮たものを清流で洗い流してから、再び乾燥させて糸に紡いでゆく。布が織り上がるまで約1年かかるという、極めて贅沢な素材だ。
自然な風合いとざっくりとした肌触りは、夏の外出時に最適。素材自体が生み出す繊細な織り目も、着物通にはたまらない魅力だろう。「四谷三栄」では草履だけでなく、しな布を使ったバッグや帽子も販売している。

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