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連載・ホンモノ

Vol.12 カイハラデニム

2012年3月14日更新

世界中から注目を集めるアパレル関連会社が広島県福山市にある。デニム生地の専業メーカー、「カイハラ」だ。ブルーデニムの国内シェアは50%以上。海外からの評価も高く、欧米のコレクションブランドからも一目置かれている。徹底した品質重視主義、群を抜く提案力、そして地元生産への強いこだわり。「カイハラデニム」には、“ものづくりの魂”が織り込まれている。

芯白を生み出すロープ染色デニムで市場を開拓

広島県福山市は、日本三大絣のひとつとされる備後絣の生産地。1893年に誕生したカイハラも、1970年代にデニムの生産を本格化させるまでは、伝統的な藍染めの絣を生産していた。そのポリシーは、他社が真似のできない高品質な製品を作ること。絣の生産は1960年にピークを迎えたが、中近東向け民族衣装の生地で生産を回復。伝統技術を新たな方向で活かすことに成功した。ところが通貨危機で輸出が激減。会社は存亡の危機に見舞われた。
「起死回生の策として目を付けたのが、デニムの生産だったのです」と語るのは、現会長の貝原良治氏。氏は1990年から2003年まで社長を務めた。

日本でジーンズが流行りだしたのは、60年代の後半から。国内メーカーも徐々に増え、デニム需要の拡大が予想された。備後絣もブルーデニムも藍染めである点は同じ。カイハラがデニムの生産に進出したのは理に叶っていた。
品質に対するカイハラのこだわりは、スタート時点から始まっていた。良質なデニムは糸の外側だけを染め、芯の部分は白いまま残す“芯白”の状態で作られる。これが、ジーンズが色落ちして味わい深い表情が出る理由。芯白デニムの生産には複雑なロープ染色機が必要になる。カイハラは1970年に自社でこの機械を開発。日本で初めてロープ染色によるデニムを市場に供給した。


画像:カイハラ株式会社

高い技術力から生まれる品質の高さが評判を呼び、カイハラのデニムは次々と大手メーカーに採用されてゆく。ピーク時には月平均で12万反もの生地を生産するまでになった。だがジーンズ市場は70年代半ばから縮小し、デニムの生産も頭打ちになってしまう。
カイハラが輸出に乗り出したのはこの頃だった。貝原会長は当時をこう振り返る。
「良かったのは、外から日本の市場を見ることができたこと。海外には大規模なデニムメーカーがたくさんあり、どこも数と価格で勝負している。日本もいずれそうなるに違いない。ならば、うちは全く違うところで勝負しようと考えたのです」


画像:カイハラ株式会社

国際的な価格競争から脱却するには、顧客のニーズを最大限に汲み取り、今まで以上に高品質な製品を供給するしかない。そのためには、糸から自社で生産する必要があった。
1991年、カイハラは広島県内に紡績工場を設立。デニムの紡績・染色・織布・整理加工の一貫生産ラインを完成させた。
価格を抑えるために工場を次々と海外へと移転させているのが現在のアパレル業界。カイハラの取り組みは、時代とは逆を行く大胆なチャレンジでもあった。

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