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連載・ホンモノ

Vol.6 Reきものスタイル 撫松庵・ながもち屋

2011年9月21日更新

着る人が主役、着物は着終わって完成すればいい

着物業界にブランドという概念を持ち込んだ「撫松庵」。その根底には、従来の着物観を覆すような発想がある。ひとつは、引き算の考え方だ。
「それまで、着物や帯は、頑張って作られたものばかり。でも頑張るもの同士では、合うはずがないんです。必要なのは引き算すること。ひとつ一つは目立たなくても、組み合わせることによって素晴らしいものになればいい。お客様が着るまでに完成させるんじゃなく、着終わった時に完成する。それが撫松庵の着物なんです」

もうひとつは、「着る人が主役」というシンプルで根源的な発想だ。着物は高価で自己主張の強い衣服。身長が低く大きめのヘアスタイルが多かった昔の女性は着物に負けていなかったが、背が高く小顔の現代女性は、どうしても着物の存在感に負けてしまう。
「だから最初の頃、撫松庵の着物は暗めの色ばかりでした。地味すぎるとよく言われましたよ。でも、帯や帯締めを合わせていくと華やかになり、最後は着る人が主役となって完成する。こうしたプレタの着物を、当時の1ヶ月分の給料、15万円くらいの値段で販売したんです」

だが、「撫松庵」は最初から成功したわけではなかった。ブランド設立から7年間は店舗がなく、発表会を開催するだけに留まる。ブレークスルーのきっかけは、1984年にオープンした松屋銀座店だった。松屋は「撫松庵」の斬新な発想と先進性、そして着物の将来を予感させる商品の魅力を、いち早く見抜いていた。
5階の一等地に構えた売場は、それまで着物に関心のなかった大勢の人々を呼び寄せた。「撫松庵」に続けとばかりに100以上もの着物ブランドが現れ、業界は時ならぬ“ニュー着物ブーム”に湧いた。

ブームは数年で去ったが、着物の世界に新しい価値を持ち込んだ「撫松庵」は、1987年、再び誰も考えつかなかった試みを世に問う。大胆な色使いや柄で染め抜いた、モダンでお洒落な浴衣を発表したのだ。
「着古したら寝間着になり、おしめになるのがそれまでの浴衣のライフサイクル。でも今、浴衣をおしめにするなんて生活をしている人がどれほどいるでしょう? それでは若い人が着なくなるのも当然です。撫松庵は浴衣を遊衣と表記し、ここにもプレタを導入したんです」 この挑戦が、今に続く浴衣ブームへと発展する。今や浴衣は、何を選ぶ時代から、どう着こなすかという時代になった。「撫松庵」のものづくりの姿勢が、人々の着物に対する意識を大きく変えたのだ。

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