さて、今回は9月12日(水)から始まる恒例催事「GINZAの定番」のご紹介、その1です。

まず何より、ご紹介したいのはこちら。

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<一幸庵>栗蒸し羊羹(3個入り) 税込1,201円
※各日限定30箱
※12:00より販売 

茗荷谷にある一幸庵の「栗蒸し羊羹」です。

ここのお菓子を初めて口にしたのは20年近くも昔にさかのぼります。(歳がわかってしまいますね) 
ここの近くにお住まいの知り合いの方から、「とっても美味しいお菓子屋さんがあるから今度買ってくるね」と言われ、口にしたのが始まりです。たぶん上生菓子だったと思うのですが、それまでの常識を覆す上品な甘さと舌の上でとろけるきめの細かさのインパクトがあまりに強く、次の日にはそのお店の前に立っていました。

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あの時何を買ったのか覚えていませんが、ほとんど売り切れていたのだけは鮮明に覚えています。


「松屋のお客様に何とかこの菓子が紹介できないものか 絶対喜んでいただけるはず」

その思いだけで勇気を振り絞って電話をしました。

「とても他で売れるような余裕はありません」と即座に断られました。何度目かにそれでもお会いしたいとお願いしたところ、なんと「会うだけなら」というお返事をいただけました。
ものすごい緊張してのどがからっからの状態で、厨房に通していただきました。
まず驚いたのは、あまりにきれいな事です。まな板、包丁、ゴムべらや様々な道具、そして床まで、ほんとにピカピカなんです。毎日使うのに毎日こんなにきれいにきれいにするんだというくらい清潔感あふれる厨房でした。
本物の職人とはこういう人のことだと思いました。

あこがれの職人 水上氏が登場しました。極度の緊張で自分でも何を話したのかよく覚えていませんが、とにかく、こちらのお菓子を松屋のお客様に紹介したい思いだけ相当な早口でしゃべりつくしたと思います。(思い出すとはずかしいです)

社長の最初の印象はとにかくまじめな職人という感じで、そんなに言葉は多くありません。
印象深かったのは手で、丸みを帯びたその手はまさに職人の手でした。

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そんな時を見計らってかお茶とお菓子を出していただきました。それが、奥様でした。

きっと見かねてか、いろいろ話しかけていただきました。本当にやさしい笑顔の素敵な奥様です。今でも奥様には何でも相談してしまいます・・・心のよりどころです。

いつもあそこでいただくお菓子は格別です。出来立ての美味しいお菓子を素敵な器で時には花や葉も添えられていて、他では見られないセンスの良さを感じます。

それがお菓子にも表現されているのだと思います。また、それぞれのお菓子に対する思いや誕生秘話などをしたためた紙が必ずついているのも「一幸庵」ならではの何気ないお客様への感謝と気遣いです。

さて、そんな出会いでしたのでどう思っていただいたのやら・・・ですが、どうしてもあきらめられずその後も何度かお電話しましたが、結果は同じ。

いつも思うのですが、それはそうですよね。本当に原料から作り始めて全部手仕事です。多くの職人さんを抱えているわけではなく、大量に作るための機械も一切ありません。

納得のいくものだけを作りたいという心意気で頑張っている方の作品を無理させて、外で販売するのはどうかと思うのです。

この仕事をしていていつも自分の中でいつも葛藤する問題です。

でもきっといつかタイミングが合ったときにもしかしたら少しだけ分けていただける日が来るかも・・・
そんな思いで忘れられない程度にご連絡をしていました。

 

でも社長は、たまにふらっと松屋にお買い物に来てくださるんですよ。売場でお会いしてびっくりします!
つい先日もケースの前に立っていて、振り向いたら社長でびっくり!!!

いろんな話をしていて、この催事「GINZAの定番」の話をしたら、いつものようにまたはぐらかされるかなあと思ったらなんと

「少しならいいよ」

「そうですよね やっぱり難しいですよね?・・・えーーーーーっ!!!今なんて?」

驚きに驚きました!!! うそみたい・・・ ほんと??? ほんとでした!!!

早速、伺って打ち合わせを・・・

私も一回しか食べたことのない幻のお菓子「わらびもち」をお願いしました。でもまだ時期が早すぎて作れないとのこと。それはしょうがありません。

「水ようかん」も絶品です。あの口どけの良さは舌も驚きます。でも時期が秋だしねえ。うーん。

「栗蒸し羊羹」は?

社長は国産の栗しか使いません。その社長のおめがねに叶った栗が9月12日(水)に間に合うかどうかギリギリです。通常は9月後半から販売する商品です。

「なんとかなりませんか?」


「なんとか大丈夫そう・・・かも」


無理言ってなんとかお願いできました。ありがとうございます(感謝)

栗蒸し羊羹は、国産の甘い大粒栗だけを何とも上品な甘さの漉した羊羹に贅沢に使い、もちっとした醤油風味の松風(通常はみそ風味)と一体となります。

 

こんなにも、20年近く思い続けた「一幸庵」の和菓子「栗蒸し羊羹」が9月12日(水)

いよいよ松屋銀座1階スペース・オブ・ギンザ「GINZAの定番」に登場いたします。

ぜひぜひ、ご賞味くださいませ。 生菓子なのでお日保ちは当日限りですが、朝の作り立てを12時から販売いたします。あんこ好きにはたまらないと思います。

私の20年という和菓子人生の中の本当におすすめの逸品です。


GINZAの定番
2012年9月12日(水)-18日(火)
1階スペース・オブ・ギンザ
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