みなさま、こんにちは。
秋も深まり、段々と寒くなってまいりましたがいかがお過ごしでしょうか。

7階デザインコレクション イベントスペースでは、寒い冬を楽しく乗り切る「冬暮らしの楽しみ方」のプロモーションとして、 『いわてのうるし 浄法寺漆』を開催します。

『いわてのうるし 浄法寺漆』
期間:2018年10月31日(水)-11月13日(火)
場所:7階デザインコレクション イベントスペース(最終日19:00閉場)
協力=岩手県

今回はその漆器を作っている、岩手県の滴生舎に実際に訪問したときの様子をご紹介したいと思います。

みなさんは岩手県が漆の一大産地だということをご存じでしょうか。
国産の漆は非常に稀少で歴史的建造物の修復などにも使われますが、その国産漆の7割が岩手県二戸市の浄法寺地区で生産されています。
この浄法寺地区は地元の漆を生かし、漆の木の生育から漆器作りまでを一貫して行っている数少ない地域です。

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この地区で採れた漆にはこのようなラベルが貼られています。
興味深い事に、漆を採った人によって漆に個性が出るそうで、塗師の方たちはそれぞれの特徴をとらえて使い分けているという事でした。

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この漆は、毎年6月ごろから10月ごろにかけて漆林で採取されています。
「漆掻き(うるしかき)」と呼ばれるこの作業では、木を驚かせないように小さな傷からつけはじめ4、5日間隔を空けながら徐々に大きな傷をつけて漆を採取していきます。 1シーズンに1本の漆の木からは約180-200gの漆が採れるといわれ、漆掻きのシーズンが終わるとその漆の木は伐採されてしまいます。
そのため見学させていただいた漆林の横には、将来を見据えて小さな漆の苗木が植えられていました。
漆を採るのはもちろん、漆の木の生育まで手掛けているのです。

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そうして手間暇をかけて採った漆を今度は職人さんが丁寧に何度も塗り重ねていきます。
一度塗って乾かしては研磨し、また塗っては研磨しという工程を約6回ほど繰り返してようやく丈夫で美しい漆器となります。
実際に私たちも試しに漆を塗らせていただきましたが、傍で見ていた時にはスーッと器になじむように見えていた漆が思うように塗れずムラなく均等に塗ることができませんでした。
右手に刷毛を持ち、左手でお椀を先端につけた棒を持って塗るのですが、右手の手首を上手くひねることができず左腕の角度もなかなか決まらず苦労しました。
今回小さなお椀でも円周に上手く漆を塗りつけられませんでしたが、実際にはもっと手のひねりが必要になる大きな丼も作られており、その技術の高さを改めて痛感しました。

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岩手県は漆の一大生産地であることから、世代を超えて漆器が愛されるように人材の育成にも力を入れています。
そこには将来的にも漆器の品質を維持し、販売した漆器に責任を持とうとする真摯な姿勢があります。

漆器は使うほどに艶が出てくるところが魅力です。
特に手間と時間を惜しまず作られる浄法寺の漆器は美しく丈夫で長く愛用していただける漆器です。

今回の『いわてのうるし 浄法寺漆』では個人で工房を構えている塗師、女性の塗師も多く在籍する滴生舎、安比塗漆器工房など個性豊かな漆器をご紹介いたします。
ぜひこの期間に、会場で自分のお気に入りの漆器を見つけてみてはいかがでしょうか。岩手の塗師と皆様をお待ちしております。