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Vol.24 月光荘画材店 ~日比ななせ氏

2014年8月27日更新

座はショッピングの街であるとともに、数多くの画廊が集まるアートの街。ここには画廊以外にも、アーティストの聖地のような場所がある。1917年創業の画材店「月光荘」。ロマンティックな名称のこの店は創業以来、プロの画家や美大生、文化人や政財界の有名人、そして絵を描くことが好きな全ての人々に愛されてきた。銀座を代表する老舗画材店の歴史と未来について、オーナーの日比ななせさんにお話を伺った。

「大空の月の中より君来しや」──サロンの文化人に愛された創業者

──「月光荘」は日比さんのお父様、橋本兵蔵氏が大正時代に始められたお店ですね。どのような経緯から開業されたのでしょう?

父は富山県の出身で、18歳の時に東京へ出てきました。当時は画家や音楽家、文筆家などさまざまなジャンルの文化人が集まる“サロン”が流行っていましてね。父はたまたま与謝野鉄幹・晶子夫妻と知り合ってサロンへ出入りするようになり、多くの文化人に可愛がられるようになったのです。画材店を開いたきっかけは、サロンで出会った画家たちが画材の購入に苦労していたから。この時代、ほとんどの画家はわざわざフランスから絵の具を輸入していました。時間もお金もかかります。自分が好きな人たちが苦労する姿を見ていられなかったのでしょう。「私は芸術に心血を注いでいる先生方の役に立ちたかったんだよ」。後年、父はそう語っていました。

──印象的なのは「月光荘」という美しいネーミングと、ホルンを使った可愛いらしいトレードマークです。どちらも由来がありそうですね。

与謝野夫妻との縁が深かったので、開店に際しては晶子さんが「大空の月の中より君来しやひるも光りぬ夜も光りぬ」という歌を詠んでくださいました。お店の入口にある看板の文字も晶子さんの直筆の書体です。お店の名付け親は鉄幹さん。フランスの詩人、ヴェルレーヌの作品から引用して「月光荘」と命名してくださいました。トレードマークのホルンは、与謝野夫妻を中心とする文化人グループのアイデア。ヨーロッパの貴族が狩猟の際、ホルンで合図し合ったことから、「多くの人が集まる場になってほしい」という願いを込めて作ってくださったそうです。

──「月光荘」には開店当時から多くの画家たちが集まったと聞いています。どのようなお店だったのでしょう?

創業の地は銀座ではなく新宿でした。当時の写真を見ると、店はかなり斬新なデザイン。パリの街角を思わせるハイカラな建物で、店員にはフランス人の女性もいました。珍しさもあって、よく映画の撮影に使われていたようです。そこへ集まってきたのが、若き日の洋画家たち。藤田嗣治、中川一政、小磯良平、猪熊弦一郎など、後年、日本を代表する芸術家となる人たちが足繁く通ってくれたのです。与謝野夫妻もバックアップしてくださり、店は少しずつ軌道に乗っていきました。ところが、戦争で店は全部焼失。父は復活の地として銀座を選び、1948年に店を再開したのです。その後は銀座内を何度か移動し、2006年、現在の花椿通りに店を構えました。

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