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Vol.11 東京鳩居堂 ~熊谷道明社長

2012年2月29日更新

香、書画用品、和文具の専門店として名高い鳩居堂は、350年近い歴史を誇る老舗中の老舗。発祥の地は京都だが、今では路線価日本一の場所として話題に上る、銀座5丁目の東京鳩居堂の方が馴染み深いかもしれない。店内には日本文化の伝統に根ざした数多くの定番商品だけでなく、現代のライフスタイルに即した斬新な商品も並ぶ。14代目にあたる若き社長は、何を受け継ぎ、何を作り出そうとしているのか。

屋号に込められた意味と、先代から送られた言葉

──鳩居堂さんのルーツは、一ノ谷の戦いで平敦盛を討った武将・熊谷直実の代にまで遡ることができるとか。驚きました。

1180年に直実が源頼朝から賜った家紋“向かい鳩”が、そのまま鳩居堂の商標になっています。鳩居堂は1663年に直実の末裔が京都で始めた薬種商(現在の薬局のような存在)の屋号で、当時の儒学者・室鳩巣によって命名されました。中国の民謡集『詩経』にある一節「維鵲有巣、維鳩居之」に由来するもので、これはカササギの巣に託卵する鳩、つまり借家住まいであることを意味しています。そこに込められているのは、「店は先祖や世間からの預かり物であって、もともと自分の物ではない。そのことを忘れず、常に謙虚な気持ちで商売に励みなさい」という謙譲の精神。屋号自体に先祖から伝わる戒めの言葉が刻まれているのです。

──江戸時代中期に薬種からお香の製造へと広がり、やがて書画用品や和文具を扱うようになったわけですね。

薬種の原料にはお香と共通する部分がありますので、お香を作ることは自然な流れでもありました。お香が商売の軸になったのは、明治時代の初期に太政大臣の三條実美公から「六種(むくさ)の薫物(たきもの)」という、宮中で使う合わせ香の秘方を伝授されたことがきっかけです。合わせ香の代表的な例が、さまざまな香料を練り合わせて丸薬状にした煉香(ねりこう)。香炉や火箸などの香道具を使って香をたきます。以来、平安時代に誕生した日本古来の香りを後世に正しく伝えていくことが、鳩居堂の使命となりました。1880年、銀座5丁目に位置する現在の地に出張所を開設したのも、宮中の御用を勤める必要からだったのです。

──これだけ長い歴史があると、社長就任は相当なプレッシャーだったのではありませんか?

私は14代目で、先代にあたる母が亡くなった2007年の3月から社長を務めています。33歳の時でした。大学卒業後は銀行に就職し、その後、鳩居堂へ入社して販売や仕入れなどを経験しました。突然の社長就任だったので周囲からは大変だったろうと言われるのですが、私自身では心の準備はしていましたので、自分の役割として自然に受け入れることができました。子供の頃からお香は身近にありましたし、経験ある社員が多いうちに仕事を覚えさせようという、先代の考えも分かっていましたから。忘れられないのは、「人の気持ちを大事にしなさい」という先代の言葉。常にお客様、従業員、取引先の身になってものを考え、行動しなさいという意味です。忙しくてもお客様ひとりひとりに真心を込めて接しなければいけないし、苦しいときに助けてくれた取引先を困らせてはいけない。一期一会であることの重みを日々忘れずにいます。

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