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Vol.9 銀座 雨竹庵 ~森前誠二氏

2011年12月28日更新

廊? それとも骨董の店? 表通りに面したウィンドーから中を見ると、そこにあるのは…盆栽だった。銀座 雨竹庵は、明治以来の銀座に初めてできた盆栽専門店。店の創業者である森前誠二氏は15歳でこの世界に飛び込み、独立後は展示会や講演、本の執筆などを通じて盆栽の情報を発信し続けてきた。こだわりの銀座人が、日本の伝統美であり、モダンアートとしての側面も併せ持つ盆栽の魅力を語る。

造園の名家に生まれながらも、あえて盆栽の道に

──ご実家は500年以上も続く造園業の名家とお聞きしました。森前さんはなぜ造園ではなく、盆栽の道に進まれたのですか?

森前家は江戸時代のはじめから代々、日光にある「輪王寺」の作庭師を務めてきました。父は勤め人で、私もずっと自分がそんな家に生まれたことを知らなかったんです。でも15歳の時に突然、盆栽職人になりたいと思った。当時の私は社会との接点を見出せず、毎日悩んでいたんです。人ではなく植物と対話できる盆栽の世界こそ自分の居場所、と思ったんですね。植物に関する仕事を選んだのは偶然ですが、もしかしたらDNAがそうさせたのかもしれません。高校を辞めて、栃木にある盆栽屋に弟子入りしました。早朝から深夜まで働きづめ。修行の身ですから休みなんてありません。でも毎日新しいことを勉強できて、本当に楽しかった。あの頃は身も心も跳ねていましたね(笑)。

──その後、銀座で働くことになったわけですね。

入門先の盆栽屋が銀座の百貨店に店を出すことになり、私はその店長を任されたんです。20歳の時でした。景気がよかったこともあり、高額の盆栽が飛ぶように売れましてね。私も大番頭として、"寝ずの森前"と呼ばれるほど働きました。でも百貨店との契約が切れてふと立ち止まった時、自分の考え方が、入門先の考え方とも、盆栽界の考え方とも合わなくなっていることに気が付いたんです。盆栽にとって大切なのは、知識や価格じゃありません。盆栽は手間暇をかけ、丹精込めて作り上げていくもの。作る人の人生観を映し出す、鏡のような存在なんです。目の前の盆栽と対峙し、そこに"自然を超えた美"を見出すことこそが盆栽の心。古来、日本人にとって盆栽とはそういうものだったんです。

──独立されたのは37歳の時。盆栽職人としては遅い方ではないですか?

入門先に骨を埋めるつもりでいましたから。その頃、娘にこんなことを言われたんです。「お師匠さんや他のお弟子さんたちは新聞や雑誌に出ているのに、なぜお父さんは出てないの?」と。それまでの私はただ盆栽を作り、商売ができればそれでよかった。大番頭として店を切り盛りしていましたし、職人として表に出ることなど考えもしなかったんです。でも娘にそう言われて、自分の中に独立心が芽生えてきた。支持してくださる愛好家の方に相談したら、「やっとその気になったか」と言われました(笑)。それで自分の店を持つ決心をしたんです。といっても当時の私は無一文。完全にゼロからの再出発でした。

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